今年3月に開業した
JRA初の女性トレーナー、
前川恭子調教師(47)=栗東=が23日、
ミトノオルフェを送り出した阪神4Rで1着となり、
JRA11戦目で初勝利を挙げた。1984年の
グレード制導入以降、
JRAで女性調教師の勝利は初めてとなった。
歓喜の瞬間は画面越しに訪れた。この日、前川師は中京に臨場。レースは調教師寮のテレビで観戦した。「ムキになるところがあるので脚をためて」という打ち合わせ通りのレース運びで、好位からしっかりと差し切り勝ち。「勝たせないといけない馬なのでホッとしました」と笑みを浮かべた。
大きな一勝には人とのつながりが詰まっていた。鞍上の菅原明とは、
ワープスピードが豪州遠征した昨秋の
メルボルンCに同行。「うまく乗ってくれました。すごく好きなジョッキーなんです」とたたえた。馬主の
ロイヤルパークは厩務員、助手として15年間、所属した崎山博樹厩舎時代からの付き合い。「崎山先生も天国で喜んでくださっていると思う」と思いをはせた。
18日には高知で地方初出走初勝利も挙げた。そして、30日には厩舎初G1となる
モズメイメイでの
高松宮記念が控えている。最高の追い風に乗り、大一番に臨む。(山本 武志)
◆前川 恭子(まえかわ・きょうこ)1977年4月9日、千葉県生まれ。47歳。03年7月に
JRA競馬学校に入学し、同年10月から栗東・崎山博樹厩舎で厩務員となる。04年2月から調教助手。田所秀孝厩舎、
坂口智康厩舎を経て24年に
JRA調教師免許を取得し、今年3月に厩舎を開業。昨年は技術調教師として矢作調教師の下で研さんを積み、米国のブ
リーダーズCなど数々の海外遠征に同行した。
スポーツ報知