「
愛知杯・G3」(23日、中京)
2走連続10着だった馬とは思えない鮮やかな末脚で差し切った。10番人気の伏兵
ワイドラトゥールが初タイトルを獲得した。道中15番手から4角外を回って進出し、直線半ばから加速。内にいた馬をあざ笑うかのように、一気にのみ込んだ。
「返し馬から雰囲気が良かったです。4コーナー手前から動かした時の反応が良くて、馬場のいい所に出してからも持続してくれました」。今年の重賞初勝利を挙げた北村友は、状態の良さを勝因に挙げるも、その表情には少し陰りがあった。
勝つには勝ったが、万事がうまくいったわけではない。ゲート内の駐立が悪く、出遅れた。末脚を生かす競馬をするつもりではあったが、レースプランを修正する必要があった。それでも、慌てなかったのが吉と出た。最内枠からハナを奪った
テイエムスパーダが前半3F32秒7と超のつくハイペースで飛ばす展開。直線で先行勢がばったりと止まり、ものの見事に大外一気が決まった。
藤原師は「外枠で、あとは流れがハマってくれればという競馬。この条件を人も馬もうまく生かしてくれた。百点満点!」と人馬の奮闘をたたえた。
母ワイドサファイアは師が管理した馬で「
オークスは(返し馬で)放馬して使えなかった。感慨深い勝利」と喜んだ。
勢いに乗って、ヴィクトリアM(5月18日・東京)へ向かう。北村友は「この馬の良さは瞬発力。1400メートルで勝って競馬の幅は広がった。もともとマイルでも走っている馬ですから。瞬発力を生かしたい」。G1でも道中は息を潜め、直線に懸ける。
提供:デイリースポーツ