「
高松宮記念・G1」(30日、中京)
もう銀メダルはいらない。2年連続で2着に泣いた
ナムラクレアが、悲願のG1タイトル奪取に燃える。2歳時から高い完成度を誇っていたが、5歳暮れに過去最高馬体重(480キロ)で阪神Cを制すなど、6歳を迎えても衰え知らず。前走から手綱を握るルメールに導かれ、G1での惜敗続きにピリオドを打つ。
デビューから常に一線級で活躍し、ここまで手にした重賞タイトルは5個。昨夏のキーンランドCで5着に崩れた時は
ピークアウトもささやかれたが、陣営がカイバを工夫し、坂路主体の調教に戻すと再び上昇気流に乗った。
スプリンターズSが上がり最速の末脚で3着。そして前走の阪神Cは大外一気の完勝劇で、まだまだやれることをアピールしてみせた。
1週前追い切りはルメールを背に栗東坂路で4F51秒5-12秒1。重馬場を苦にせず、3馬身半前を行く
ナムラアトム(4歳3勝クラス)に馬なりのまま1馬身半先着した内容に、ルメールは「最後まで真っすぐ走ってくれたし、フットワークは良かったね。コンディションは良さそう。
ビッグチャンス」と自信をにじませた。
「最大の武器はメンタルの強さ。心が折れてもおかしくないレースを何度も乗り越えてきてくれた。本当にすごい子です」と目を細めたのは長谷川師。「年を追うごとにG1への思いが強くなっています。今回も思い描いた通りに来て、非常にいい状態ですからね。何とかここで」と力を込める。不屈の闘志を秘めた
ミッキーアイル産駒が、今年こそ頂点へ駆け上がる。
提供:デイリースポーツ