◆第55回
高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル)
善戦ホースがG1初制覇へ―。第55回
高松宮記念(30日、中京)で2年連続2着の
ナムラクレアが、9度目の挑戦で初の
ビッグタイトルを目指す。阪神Cに続いてコンビの
クリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=には、同レース4度目の騎乗で初Vがかかる。
折れない鋼の心で、今度こそ
ビッグタイトルをつかむ。
ナムラクレアが三度目の正直でG1初制覇を決める。
1200~1400メートルで重賞5勝を挙げる短距離のスペシャリストで、昨年まで2年連続の2着。23年は決め手を十分に発揮できない不良馬場で、勝った
ファストフォースに1馬身差。重馬場だった24年は最速の上がりで追い込むも、
マッドクールに頭差及ばなかった。それだけに、この一戦に懸ける思いは強い。「G1を勝たせないといけないレベルの馬。勝ちたいという気持ちが日に日に強くなっている」と長谷川調教師の言葉には熱がこもる。
19日の1週前追い切りは阪神Cに続いてコンビを組むルメールが騎乗し、栗東・坂路で51秒5―12秒1。半弟の
ナムラアトム(4歳3勝クラス)を軽く仕掛けた程度で1馬身突き放す絶好の動きを見せた。
JRA・G1完全制覇まであと3つに迫る鞍上は「状態は問題なさそう。手応え、フットワークも良かった。これまで(
高松宮記念で)乗ってきたなかで、
ナムラクレアは一番の
ビッグチャンス。今回は勝ってほしい」と期待を込めた。
前走の阪神Cでは鮮やかな大外一気で約1年4か月ぶりの勝利。切れに切れる末脚で勝ち星を積み重ねてきた。トレーナーは「この馬の一番の強みはメンタルだと思う。どれだけ苦しいレースをしても心が折れない」と分析。不屈の精神を武器に、ス
プリント界の最前線で戦い続けてきた。
G1は8度の出走で【0233】。
スプリンターズSでも昨年まで2年連続3着と善戦してきた。悲願達成へ指揮官は「いいイメージでこれている。なんとかG1馬に」と闘志を燃やす。歓喜の瞬間は、すぐそこだ。(山本 理貴)
スポーツ報知