「
高松宮記念・G1」(30日、中京)
ナムラクレアが悲願のG1初制覇に向けて態勢万全だ。26日の栗東坂路で長谷川師を背に単走。ラスト1F11秒7と鋭く伸びて好気配を伝えた。JRA通算2000勝にあと「5」と迫る名手・ルメールの手綱で
ビッグタイトルをつかむか-。連覇の懸かる
マッドクールも坂井が騎乗し、栗東坂路で活気十分の動きを披露。
サトノレーヴは、短期免許で来日したモレイラを背に美浦Wで併せ馬を行い、きっちり先着を決めるなど元気いっぱいだ。
悲願の初タイトル奪取を決めるべく、究極の仕上げを施した。2年連続2着の
ナムラクレアは、長谷川師がまたがって栗東坂路で追われた。馬なりながら躍動感あふれる力強いアクションで、4F52秒8-37秒4-11秒7の好タイムをたたき出した。
「前半は馬のリズムを確認しながら、最後は気持ち良く、伸びやかに走らせました。時計も良かったし、内容も良かったと思います」と師は笑みを浮かべる。昨年は京都牝馬S(2着)を叩いたが、間隔をあけた方がより良いパフォーマンスを発揮できると、今年は阪神C(1着)から3カ月ぶりの一戦。先週までに3週続けて栗東坂路で4F51秒台をマークするなど、全ての調整が思惑通りに運んでいる。「今年の方が満足のいく状態」と間違いなく出来は
ピークにある。
前走の阪神Cは圧巻の末脚。新コンビのルメールは「すごくいい瞬発力を使ってくれた。速さがすごかった」と高いスピード能力に舌を巻いた。1週前追い切りにも騎乗しており「コンディションは良かったです。リフレッシュしていたし、勝つ自信があります」と言い切った。
高松宮記念はルメールが勝っていないJRA・G1の一つ。ここを勝つと、残すは
大阪杯、朝日杯FSだけとなる。「これまで
ナムラクレアのようなトップス
プリンターに乗っていませんでしたから。今回は
高松宮記念を勝つ
ベストチャンス」。頼れる鞍上に導かれ、待望のG1初制覇へ。レースが行われる3月30日は、偶然にも
ナムラクレアの
バースデー。今までの無念を打ち消し、最高の誕生日にしてみせる。
◇馬なりに終始した最終リハは、一見良くも悪くも普通に映った。そんななかでも栗東坂路で2Fタイムは驚異の23秒4。見た目以上の速力を発揮した。普通に見えたのは京都牝馬S2着から中4週で挑み、かつ栗東CWで一杯に追った昨年とは違って
リラックスできているからとも取れる。“静”で臨む今回、悲願の戴冠も夢ではなさそうだ。
提供:デイリースポーツ