「
毎日杯・G3」(29日、阪神)
ますます底が知れなくなった。新馬戦-
ジュニアCと連勝で臨んだ2番人気の
ファンダムが大外一気。極限の切れ味でまとめて他馬をなで切りにした。無敗の連勝記録は、これで『3』。この春の勢力図を一気に塗り替えかねない衝撃が仁川に走った。
ゲートは出たものの、あえて最後方から。「セーブしながらでも走れるように。課題を持ちながら臨みました」と北村宏が語るように、これまでの先行してスピードで押していく
スタイルから転換を図った。スローの流れでも折り合い「自信を持って直線に向きました」と鞍上。メンバー最速の上がり3F32秒5の切れ味で豪快に突き抜けた。
サートゥルナーリア産駒では一番星となる重賞勝利。管理する辻師にとっても開業5年目でうれしい重賞初制覇だ。「どうと言うこともないです。いつも目の前のレースだけ。いつもドキドキして見ているので」としつつ、「それでも重賞を勝てる馬、勝てる能力のある馬に巡り合えたのは幸せですね」と45歳の若きトレーナーははにかんだ。
これまで17頭のG1ホースを輩出した出世レースを制覇。初の関西輸送だけでなく、マイルからの1F延長、馬群の中での競馬もクリアした収穫は大きい。今後は未定だが、「高いレベルで戦うためには小さい課題をつぶしていきたい」とさらなる大舞台を見据え、指揮官はキッパリ。無敗の3連勝馬の行く末が楽しみだ。
提供:デイリースポーツ