「
高松宮記念・G1」(30日、中京)
中団につけた単勝2番人気の
サトノレーヴが直線で抜け出し、G1初制覇を飾った。短期免許で来日したばかりのジョアン・モレイラ騎手(41)=ブラジル=が、鮮やかな騎乗で栄冠に導いた。1番人気の
ナムラクレアは後方から追い上げたが3/4馬身及ばず、3年連続の2着。6番人気の
ママコチャが3着に入った。
“マジックマン”に導かれた6歳馬が短距離王の称号をつかんだ。
サトノレーヴが今週から短期免許で来日したモレイラを背に、直線で豪快に伸びた。10年前に半馬身差の2着に敗れた半兄
ハクサンムーンの借りを返すとともに、父
ロードカナロアと同じく短距離界の頂点に輝いた。
鞍上の好判断が勝因となった。「直線は強い向かい風。前に行った馬に負担がかかる」と考えて、好スタートから先行集団の1列後ろの馬群で追走。他馬を風よけにしてぎりぎりまで脚をためると、残り250メートルで外に持ち出してエンジンを点火した。「前半無理しなかった分、しっかり反応して最高のパフォーマンスを見せてくれた。大好きな日本でまたG1を勝ててうれしい」。風を味方にしてレースを制圧したマジックマンは笑顔で快勝を振り返った。
10、11年に連覇した
キンシャサノキセキに続く
高松宮記念3勝目となった堀師は「返し馬のキャンターの1歩目が素晴らしい動き。その段階で調教師としての仕事はしっかりできたのかなと非常に満足していました」と万全の仕上げに胸を張る。そして「お世話になっている(オーナーの)里見会長、モレイラ騎手とこうしてG1を勝てて感無量です」と喜んだ。
今後について師は「招待をもらっている香港に向かうかどうかの判断になると思います」と
チェアマンズスプリントプライズ(4月27日・シャティン)に意欲。参戦となれば、香港最強ス
プリンターのカーイン
ライジングと再び激突することになるが、モレイラは「乗るたびに成長しているし、きょうの強さなら相当いい勝負になる」と、昨年12月に
香港スプリントで3着に敗れたリベンジに太鼓判を押した。完全に本格化した“龍王”の子が、G1制覇の勲章を得て父と同じく香港制圧を目指す。
提供:デイリースポーツ