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騎手として第1回ドバイWC参戦から29年、石橋師が再び中東の地へ メイショウタバルをドバイターフに送り出す

デイリースポーツ
  • 2025年04月01日(火) 06時00分
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 気温は30度超え。季節上、ドバイではもう夏が始まっている。さかのぼること29年前に行われた96年3月の第1回ドバイワールドC。うだるような熱さが顔を出し始めた同じ時期に石橋守調教師(58)=栗東=は初の日本人騎手、日本代表として、その大舞台で騎乗していた。

 コンビを組んだのは95年のフェブラリーS帝王賞南部杯など7連勝したライブリマウント。石橋師は当時を懐かしそうに振り返る。「シガーというアメリカの馬がいてな。それが来るというので、そんな馬と一緒にレースができるというのはすごい。すごい馬とレースできるんだなって気持ちが高鳴った」。95年の米国年度代表馬で当時13連勝中、G110勝(最終的に連勝は16でストップ。G1・11勝)の歴史的名馬に完敗を喫しての6着。ただ、世界の名手とも競い合った夢のような時間は四半世紀過ぎた今でも「鮮明に思い出す」という。

 そして今年、中東の地に再び舞い戻る。管理するメイショウタバル(牡4歳)をドバイターフ・G1(5日・UAEメイダン)に送り出すためだ。「あれ以来。あの時は(日本から)ただ1頭、1人で行った。今はレースも増えて競馬場自体も変わったしな」と当時と様相を変えたドバイの風景に思いをはせる。

 メイショウタバルは石橋師にとって特に思い入れの深い一頭だ。毎日杯で厩舎に初の重賞タイトルをもたらし、皐月賞にも出走した。神戸新聞杯で2つめのタイトルを手にするなど能力の高さに疑いようはないが、菊花賞(16着)や前走の日経新春杯(11着)で見せたように、折り合いに大きな難がある。ただ、この中間はいつもと手応えも違う。「併せ馬でもだいぶうまく折り合っていたからな。スピードは通用するし、本当に自分との戦い」。初の海外遠征でひと皮むけてほしいと願う。

 その背中を新たに託すのが武豊だ。01年にシーマCをステイゴールドで勝ち、07年デューティーFをアドマイヤムーン、16年UAEダービーはラニで制すなどドバイを知り尽くす。「難しそうな馬だなとは思うけど、(石橋師は)『あまり先入観を持たんとおまえの感覚で乗りい』と言ってくれているのでね」と名手は泰然自若。2学年上で幼なじみの兄貴分が調教師として初めて重賞を勝った時には「すごくうれしかった」と語る。今回コンビを組み、海外G1の勲章を狙う。

 石橋師が騎手時代、ベテランに差しかかっていた39歳で悲願のダービー制覇をかなえてくれたのが06年のメイショウサムソンだった。「会長には騎手の時から世話になりっぱなし。まだ、なかなか恩返しできていない」。同じ松本好雄オーナーの冠名で世界に挑むのは力が入る。「タバルのお母さんでもあるメイショウツバクロは俺が現役最後に勝った馬。偶然やな。会長も知らなかったと思うけど、俺はすぐピンときた」とホースマンとしての運命を感じさせる。「まずは無事に上がってくれるのが一番。そしていいレースをしたい」。思い出の中東の地で新たな物語が始まる。(デイリースポーツ・島田敬将)

提供:デイリースポーツ

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