「ドバイＷＣデー諸競走・ＵＡＥ」（５日、メイダン）

　ドバイワールドＣに出走するウィルソンテソーロが２日、川田を背に追い切り、同じく出走する僚馬ウシュバテソーロと併せ馬を行った。力強い脚取りで併入し、サウジＣ４着からの巻き返しへ態勢は整った。また、ドバイワールドＣでフォーエバーヤングを出走させる矢作芳人調教師（６４）＝栗東＝が共同会見に臨み、シンエンペラーとともに来年まで現役を続行させることを明かした。この日は各レースのゲート順も決まった。

　世界的な注目度は抜群だった。各国メディアが集った共同会見。圧倒的１番人気が濃厚なフォーエバーヤングを管理する矢作師は「プレッシャーに押しつぶされそうです」と周囲を笑わせ、「追い切りは間に合わなかったんですけど、追い切り後の馬を見て、サウジからまた一段上がったと感じています」と、確かな手応えを伝えた。

　大一番を前にしても冷静そのもの。それは“チーム矢作”に対する揺るぎない自信があるからこそだ。「下手なジョッキーもだいぶ上手になったと思います」と弟子で主戦の坂井をイジり、「僕は何もやっていない。スタッフがとても優秀。強力な世界最高のチームと自負しています」と胸を張った。鞍上も「下手なジョッキーなのでプレッシャーに押しつぶされそうです」と笑顔で師匠に応じつつ、「僕はいつも通りの仕事をするだけ」と気を引き締めた。

　師は「アメリカの馬が来てくれないのでこちらから行くしかない」と秋は昨年３着に終わったＢＣクラシックのリベンジを明言。僚馬シンエンペラーも含め、「今のところオーナーとの話では２頭とも来年まで現役。（フォーエバーヤングは）どこかで１回芝を走らせたい。凱旋門賞なのか、ジャパンＣか、有馬記念かＢＣターフか。それはこれから。シンエンペラーはキングジョージに関してはタフなレースで難しいですが、ヨークのインターナショナルＳは彼に適したレースと考えています」と野望も語ったが、今は目の前の一戦に全力投球だ。「いいレースを見せたい」と力強く締めくくった。

提供：デイリースポーツ