◆第69回
大阪杯・G1(4月6日、阪神・芝2000メートル)
単勝223・4倍、15番人気馬の激走で新規開業一番乗りとなる
JRA初勝利を挙げた
東田明士調教師=栗東=。3月5日付で開業し、「記憶に残る忘れられない1勝」だった同16日から約3週間たち、今週は
カラテ(牡9歳、父
トゥザグローリー)とともにG1の大舞台に初参戦する。「開業から間もないこの時期にG1を使えるのは、やっぱり
モチベーションになりますね。競馬に携わる上で、G1に出るのはみんなの目標でもありますから」。充実感に満ちた表情で、最後の仕上げを進めている。
初Vの
ヴィーナスバブルと同じく、音無厩舎から引き継いだ管理馬で挑む。小田切光オーナーにG1初挑戦を相談した際は、快く承諾されたという。「音無先生との縁もありますし、(小田切)光さんの他の馬も管理させてもらっています。G1に出られるような馬を預からせていただいて、早いタイミングで出させていただけるのは本当にありがたい」と東田師。縁あっての出走に心から感謝した。
キャリア47戦で、重賞3勝を含む8勝を挙げる
カラテ。競走馬として高齢と言われる時期となっても、コンスタントに古馬中距離重賞に名を連ねる。転厩後は新しく、角馬場、コースで完歩を詰めた運動を取り入れた。跳びが大きい大型馬なだけに、内回りコースなどで求められる器用さを養う狙いだ。「最初は少し難しかったんですけど、徐々にできるようになってきました。そういうところが競馬でもプラスに働いてくれれば」と手応えを感じ取る。
追い切りには初コンビを組む
和田竜二騎手が3週連続で騎乗。年齢を感じさせない若々しい動きで、鞍上からも「追い切るごとに状態は上がっている」とお墨付きを得た。指揮官は「本当にいい状態で臨めますし、タイム的に見ても近走はそこまで負けていません。スタートをしっかり決めて、いいポジションを取れれば、より面白みがあるのでは」と一変を期待する。
G1に慣れた音無厩舎から移ったスタッフが多いこともあり、心境は気負わず普段通り。それでも「やるからには少しでも上の順位を目指したいですね」と闘志は隠さない。36歳の若きトレーナーとベテラン9歳馬のコンビが、波乱を巻き起こす気がしてならない。(山本 理貴)
スポーツ報知