春の芝2000メートル王者を決める「第69回
大阪杯」は3日、出走馬が確定した。休み明けの
金鯱賞を叩いた
デシエルトが栗東坂路の木曜追いで負荷をかけ、好調をアピールした。力は確か。折り合い一つでガラッと変わりそうだ。4日に枠順が発表される。
高ぶる気持ちを抑え、パワフルに駆け上がった。
デシエルトは安田助手を背に坂路へ。馬場入り直後はいつも通り2~3度、跳びはねてからスタート。コーナーを回って直線に向くと馬場のど真ん中に進路を取り、一気にギアが切り替わってスピードに乗った。課題の折り合いがスムーズにつき、手綱を持ったままフィニッシュ。4F52秒7~1F12秒5を刻んだ。
引き揚げてきた安田助手は「あまり刺激を与えないように調整しました。抑え過ぎずリズムを大事に、
バランスを整えた。ハード過ぎることなく、いい調教でしたよ。(この馬なりに)熱くなり過ぎることもなかった」と納得の表情。木曜追いを選択した理由については「(昨秋に勝った)
アンドロメダS、
中日新聞杯が土曜競馬で水曜に追い切り。中2日の競馬で結果が出ているので木曜追いにしました」と説明した。
今季初戦の
金鯱賞は1コーナーを過ぎてスイッチが入った。重馬場で前半5F通過が58秒2の大逃げを打ち、しまいは脚色が鈍ったもののコンマ4秒差4着。ばったり止まってはいない。「もう少し(道中)我慢が利けば良かったが、あれだけ行くことも分かった」と振り返るように、敗戦で見つかった課題は次走への収穫でもある。前走後はいったん栗東近郊のノーザン
ファームしがらきに移動し、心身ともにリフレッシュ。「体重は前走(536キロ)とそんなに変わっていないけど体が締まってきた。実戦を挟んだ効果でガス抜きができたことも良かった」と上積みを強調する。
舞台は中京からコース替わり。阪神芝2000メートルは22年
若葉Sで逃げて3馬身差Vの実績がある。「慎重に1コーナーを回って
リラックスして運べれば。ジョッキーと
デシエルトの我慢比べになると思います」とテン乗りの池添に託した。相手関係より、まずは自らとの闘い。そこをクリアした先にG1の勲章が見えてくる。
≪曽祖母が98年V≫
デシエルトは
大阪杯に縁がある血統だ。曽祖母の
オークス馬
エアグルーヴはG2時代の98年に当時5歳で
大阪杯V。2着が1歳下の
オークス&
秋華賞馬
メジロドーベル、3着が同世代の
皐月賞馬
イシノサンデーとハイレベルなメンバーを相手に勝ち切った。同じく曽祖母が
エアグルーヴで同じ6歳世代、はとこにあたる
ローシャムパークが昨年このレース3番人気2着。この時季、阪神芝2000メートルで母系の血が騒ぐ。
スポニチ