今週も「展開王」が登場。数ある予想
ファクターの中から、展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出す。春のG1ロード第2弾「
大阪杯」を担当するのは東京の面来陽介記者。急坂を2回越える阪神2000メートルで狙うのは
パワーとスタミナを備えるあの馬だ。
まず
大阪杯を攻略するにあたり、最大のポイントになるのが“急坂を2回走る”点だ。阪神内回り芝2000メートルは急坂(1回目)の手前からスタートし、坂を上り切った後すぐに小回りのコーナーを迎える。道中はアップダウンがなく、3角を過ぎたあたりから下り坂。そして359・1メートルの短い直線で再び急坂が待ち構える。このタフなコースで求められるのは
パワーとスタミナ。ためて切れる脚より、ジリジリと長くいい脚を使い続けられる馬に勝算がある。
同じ週にドバイワールドCが開催されるが、4頭のG1勝ち馬に勢いのある4歳馬と今年は好メンバーがそろった。それでも絶対的な中心馬は不在で伏兵が多彩。波乱が生じる可能性は高い。前述の通り、最初の坂を上った直後に1角に差しかかるため、前半ペースは速くなりにくく隊列も決まりやすい。逃げて結果を出している
デシエルトが迷わず先手を奪いに行きそうだが、それでも道中は平均ペースに落ち着くだろう。
そこで本命に指名したのは9番に入った
コスモキュランダ。500キロ超の雄大な馬格を備え、ス
トライドが大きい馬。伸び伸びと走れる中枠から外枠の方が確実に合っている。実際に弥生賞1着(7番)、
皐月賞2着(12番)、
セントライト記念2着(8番)、前走のAJC杯3着(13番)と重賞好走歴は全て中~外枠だった。
中でも直線の急坂をモノともせずに、初の重賞タイトルを獲得した昨年の弥生賞が光る。向正面で一気にポジションを上げ、4角2番手から抜け出して快勝。高い機動力と持続性のある末脚を示した。阪神内回り2000メートルは、その持ち味を最大限に生かせる舞台。再びロングスパートで上がりがかかる競馬に持ち込み、ラ
イバル馬の脚をなし崩し的に消耗させる。
悲願のG1制覇に向け、加藤士師は「この馬の武器は(長く)脚を使えること。ポイントはどこで脚を使うか。捲って行っても平気だし前でガリガリやり合ってもいい」とあらゆるパターンをイメージする。序盤はジッと我慢。向正面で動き出し、早め先頭から一気に押し切る。
スポニチ