◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
競馬は男女が同じ舞台で勝負する数少ないスポーツ。
JRAでは今春、
谷原柚希(ゆずき)騎手がデビューし、現役の女性ジョッキーは6人。地方では名古屋のルーキー、
小笠原羚(おがさはら・れい)騎手を含めて平地の現役は10人(高知の
浜尚美は休業中)で、鉄のソリを引く、ばんえい競馬は2人。中央と地方で17人が、男性騎手と熱いレースを繰り広げている。
先月、
園田競馬場で行われた地方所属の女性騎手によるシリーズ戦「レディスジョッキーズシリーズ2025(LJS)」の最終戦を取材した。紹介セレモニーではカメラを持ったファンの人だかり。第1戦で園田所属の
佐々木世麗騎手が勝つと、多くの地元ファンが「やったー!」などの絶叫。第2戦を
木之前葵騎手が制し、総合連覇を決めると「葵ちゃん、おめでとう!」と祝福の大声援が湧き上がった。
ものすごい場内の熱気に触れ、
JRA騎手も交えて開催してほしいと改めて思った。
木之前騎手が「絶対に盛り上がると思います。やってほしいです」と言えば、地方通算1300勝以上を挙げるレジェンドの
宮下瞳騎手も「ぜひとも中央の皆さんと一緒に乗りたいです」と強く望んでいる。
06年から11年までLJSは地方と中央の垣根を越えて行われ、
JRAからは当時現役の西原玲奈騎手、増沢由貴子騎手が参戦していた。女性騎手がファンに定着した今こそ、両者がタッグを組んでの開催復活をと思う。海外枠もつくって今年のフェブラリーSで
JRAで女性騎手初の平地G1制覇を果たした
レイチェル・キング騎手、おなじみの
ミカエル・ミシェル騎手も参戦すれば、さらに注目度はアップするはず。そんな夢の祭典の実現を心から願います。(競馬デスク・内尾 篤嗣)
◆内尾 篤嗣(うちお・あつし) 98年入社。レイアウト担当、事業部も経て現在は競馬デスク。思い出の一頭は
ワンダーアキュート。
スポーツ報知