◆第57回
ダービー卿チャレンジトロフィー・G3(4月5日、中山競馬場・芝1600メートル、良)
第57回
ダービー卿チャレンジT・G3は5日、中山で行われ、
トロヴァトーレが内から鋭く伸び重賞初V。この日、史上最速で
JRA通算200勝を達成したジョアン・モレイラ騎手(41)=ブラジル=は、
高松宮記念に続く2週連続の重賞勝利となった。
“マジックマン”の異名を取るモレイラが、満開の桜に包まれた中山で今週も魅せた。「どこに進路があるかなと心配した」と鞍上が振り返るほどに勝負どころの
トロヴァトーレは周囲を囲まれる展開。それでも冷静に機をうかがい、逃げた
アサカラキングと内ラチの間にできたわずかなスペースを見逃さなかった。「馬の反応も素晴らしかったし、タフな走りでゴールしてくれた。いい勝利だった」。Vロードに瞬時に誘導する好リードで首差で差し切り、重賞初制覇へ導いた。
サトノレーヴで制した
高松宮記念に続いての重賞V。モレイラの想定よりも後ろのポジションで常にプレッシャーを受ける厳しい展開を克服した。「狭いところで我慢する必要があったし、展開的にはスムーズじゃないなかで勝利を取れたことがこの馬の能力」。マイルでは5戦4勝、2着1回のオール連対と、底を見せていないパートナーの可能性を鞍上は評価した。
この日の中山はまさにモレイラ祭り。
トロヴァトーレと同じ鹿戸厩舎の
ピックデムッシュに騎乗した9Rで
JRA最速の通算200勝を達成すると、その後は最終12Rまで破竹の4連勝。騎乗機会7回で5勝を挙げる大暴れだった。絶好調男は日曜の
大阪杯で
ステレンボッシュに騎乗し、昨年の
桜花賞に続いて春の仁川でも大輪の華を咲かせる。(浅子 祐貴)
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トロヴァトーレ 父
レイデオロ、
母シャルマント(
父エンパイアメーカー)。美浦・
鹿戸雄一厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算10戦6勝。総獲得賞金は1億4006万3000円。重賞初勝利。馬主は(有)サンデーレーシング。
スポーツ報知