「
チャーチルダウンズC・G3」(5日、阪神)
これぞ名槍の切れ味だ。2番人気の
ランスオブカオスは直線で1頭分のスペースを突いて鋭く伸び、デビュー2年目の吉村と人馬ともにJRA重賞初制覇。デビューから全4戦でコンビを組み、G1初騎乗も経験した相棒との初タイトルに、鞍上は「本当にうれしいです」と笑みを浮かべた。
好スタートから4、5番手の内につけると、道中は折り合いに専念した。抜群の手応えで直線に向くと、前は壁で外もブロックされたが、じっと我慢。「スペースがあいたのは一瞬でしたが、いい脚でひるまずに突っ込んでくれました」。残り250メートル、抜群の瞬発力で2頭のわずかな間を突き抜けると、上がり3F33秒9の切れ味で後続の追い上げも封じた。
ここまで朝日杯FS3着、
きさらぎ賞3着と好走。今回改めて能力を示し、
奥村豊師は「非常にいい勝ち方でした。ポジションを取っても折り合いを欠かず、狭い所も割っていける。現状では大きな課題はないと思います」と目を細めた。
次戦はNHKマイルC(5月11日・東京)。鞍上が「権利を獲って向かうというよりも勝ち切って向かいたいと思っていました。能力は高いのでやれると思います」と力を込めれば、師は「左回りや輸送など未経験なことはしっかり厩舎で準備していきたい」と冷静に大舞台を見据える。若武者とともに極上の切れ味に磨きを掛け、一気に3歳マイル王の座へと突き進む。
提供:デイリースポーツ