「ダービー卿CT・G3」(5日、中山)
4角を回った時、前は壁、壁、壁-。完全に行き場を失ったかに思えた1番人気の
トロヴァトーレ。だが、最内にぽっかりと1頭分のスペースが出来上がれば、もちろんマジックマンは見逃さない。苦もなく末脚を伸ばすと、最後は
コントラポストを首差振り切って重賞ゴールを駆け抜けた。
この日は2Rを皮切りに、9~12Rを4連勝とトータル5勝の固め打ち。史上最速でのJRA通算200勝を達成したモレイラは「残り3Fでも手応えが良かった。スペースがあるのか心配だったけど、間隔ができた時の反応が素晴らしかったね」と相棒の瞬発力をたたえた。タイミングはわずかに一瞬。突っ込む馬もすごければ、突っ込ませた鞍上もすごい。
道中も決してスムーズだったわけではない。若干出負け気味でポジション確保に出して行ったため、道中は引っ掛かるシーンも。「力んでしまったが狭い所で我慢した。展開だってスムーズじゃなかったけど、それでも勝った。G1でも楽しみだね」と鞍上は将来性に太鼓判を押す。今が伸び盛りの4歳馬にとって、この先に続くG1戦線へ夢が膨らむ重賞初勝利となった。
提供:デイリースポーツ