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【チャーチルダウンズC】デビュー2年目若武者が「本当にうれしい」重賞初制覇 検量室前で兵庫の名手の父と歓喜のハグ

スポーツ報知
  • 2025年04月06日(日) 06時05分
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◆第34回チャーチルダウンズカップ・G3(4月5日、阪神競馬場・芝1600メートル、良)

 阪神の第34回チャーチルダウンズC・G3は、ランスオブカオスが2年目の吉村誠之助騎手(19)=栗東・清水久厩舎=と人馬ともに初タイトルを手にした。3着までNHKマイルC・G1(5月11日、東京)の優先出走権を獲得した。

 迷いなく、突っ込んだ。ラスト2ハロン過ぎ。好位を追走していた吉村とランスオブカオスの視界に一瞬の“Vロード”が映った。前を行く2頭の間にできた小さなスペースを目標に、大きなアクションで手綱を押す。進路を確保してからは全身の力を込めるような右ステッキ。最後まで止まらない。むしろ前肢を大きく伸ばしながら、外から追撃する各馬を突き放した。

 レースレコードの1分32秒2、1馬身3/4差の完勝。吉村にとってはデビュー2年目での重賞初勝利だ。「本当にうれしいです。今日はいい勝ち方をしてくれて強い内容だったと思います」と初戦から手綱を託され、お互いに高め合うように成長を続ける相棒をたたえた。

 教えを守った。兵庫県競馬に所属し、地方通算3608勝を挙げる父の智洋騎手から、よく聞く言葉がある。「慌てて外に出すな。それでは差し遅れる」。今回は広い外回り。必ず進路ができると信じ、内でジッと我慢することで極上の末脚を引き出した。昨年末の落馬事故から3か月ぶりに復帰した父が現地で観戦。「僕としてはケチをつけるところがない。うまく乗っていました。素直にうれしいです」。笑顔で出迎えた検量室前では父子でハグもかわした。

 次は父も駆けつける予定のNHKマイルCが待っている。「権利を取って向かうより、勝ち切って向かいたいと思っていました」と吉村。G1の頂きを目指す戦いへ、これ以上ない追い風に乗っていく。(山本 武志)

 ◆吉村 誠之助(よしむら・せいのすけ)2006年1月4日、兵庫県生まれ。19歳。栗東・清水久詞厩舎所属。1年目の24年は33勝(JRAのみ)をマークし、新人騎手特別賞と中央競馬関西放送記者クラブ賞(関西所属騎手新人特別賞)を受賞。同期デビューの現役騎手は石神道、坂口、柴田裕、高杉、長浜、橋木。JRA通算49勝。父の智洋は兵庫県競馬の騎手。162・7センチ、48キロ。血液型O。

 ◆ランスオブカオス 父シルバーステート母ハイドラン(父ローエングリン)。栗東・奥村豊厩舎所属の牡3歳。北海道新ひだか町・フジワラフアームの生産。通算成績は4戦2勝。総獲得賞金は7683万8000円。重賞初勝利。馬主は五影慶則氏。

スポーツ報知

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