古馬中距離王を決める「第69回
大阪杯」が6日、阪神競馬場で行われた。2番人気
ベラジオオペラが好位から力強く抜け出し、当レース史上初の連覇を飾った。勝ち時計1分56秒2はコースレコード。絶妙なエスコートを見せた
横山和生(32)は2年連続の
JRA・G1勝利を飾り、通算4勝目となった。2着に
ロードデルレイが入り、
ロードカナロア産駒のワンツー決着。同産駒はフェブラリーS(
コスタノヴァ)、
高松宮記念(
サトノレーヴ)に続き、25年
JRA・G13連勝となった。
電光掲示板に赤くともった「レコード」の文字。従来の記録を1秒も上回る1分56秒2の高速決着を制したのは、
ベラジオオペラだった。
大阪杯史上初となる連覇の偉業を達成。その強さに加え、速さも光っていた。
展開の鍵を握る
デシエルトが出遅れる波乱の幕開け。内から
ホウオウビスケッツが主張したが、1角を過ぎて外から
デシエルトが先頭へ。その後は
ハイラップを刻み、前半5F通過は57秒5のハイペース。
ベラジオオペラは惑わされず、好位のインで流れに乗った。横山和は「相変わらずスタートのうまさで欲しいポジションが取れました」。相棒の操縦性の高さは熟知。折り合いに専念し、抜群の手応えで直線に向いた。
残り100メートルで先頭に立つと、外から迫る
ロードデルレイの追い上げを1馬身しのいで、
大阪杯史上初となる連覇のVゴールへ飛び込んだ。鞍上は「4角の手応えが良くて、負けないだろうと思った。(最後の直線は)気持ち良かったですね。ペースよりもリズム良く、この子の走りができたことが一番の勝因。全てがかみ合った勝利だと思います」とパートナーを称えた。
昨年は
京都記念2着を
ステップに
大阪杯でG1初制覇。今年は暮れの
有馬記念(4着)の疲労を考慮し、ぶっつけのローテを選択した。上村師は「求めるレベルが高い馬なので先週の時点では物足りない部分があった」と明かす。1週前に負荷をかけ、レース当週はサラッと調整するのが上村厩舎のパターン。が、今回は違った。最終追いでも鞍上を背にしっかり負荷をかけ、最後の最後まで攻めの姿勢を貫いた。「最終追いの後、スイッチが入った。いい頃に見せるしぐさを見せていたので万全の態勢に整った」。厩舎の看板を背負うオペラの力を信じた指揮官の執念が実を結んだ。
今後は昨年3着に敗れた
宝塚記念(6月15日、阪神)が目標。指揮官は「強い勝ち方をして改めて能力を示してくれたし、胸を張って向かいたい」と期待を寄せた。昨年の
大阪杯より2秒も速い勝ち時計でV。1年の時を経て厩舎の大黒柱はさらに成長した走りを見せつけた。横山和は「まだ良くなる余地を残している。またここからスタートの気持ち」とさらなる高みを目指していく。
そして、上村厩舎にとっては最高のVバトンとなった。クラシック開幕戦の
桜花賞に2歳女王
アルマヴェローチェがスタンバイ。仁川で2週連続のG1制覇に挑む。
ベラジオオペラ 父
ロードカナロア 母エアルーティーン(母の父
ハービンジャー)20年4月7日生まれ 牡5歳 栗東・上村厩舎所属 馬主・林田祥来氏 生産者・北海道千歳市の社台
ファーム 戦績12戦6勝(重賞4勝目) 総獲得賞金8億2370万2000円。馬名は冠名+歌劇。
スポニチ