「
大阪杯・G1」(6日、阪神)
仁川の急坂を駆け上がり、先頭でゴールを駆け抜けたのは2番人気の
ベラジオオペラ。23年に
ジャックドールが記録したタイムを、1秒2も上回る驚がくレコードで史上初のレース連覇を達成した。2着は4番人気の
ロードデルレイ、3着には8番人気の伏兵
ヨーホーレイクが続き、1番人気に支持された
シックスペンスは直線で伸び切れず7着に終わった。
終わってみれば、昨年覇者
ベラジオオペラの独壇場だった。史上初となる
大阪杯連覇。驚がくのレコードを刻み、歴史を塗り替えた。熱気に包まれた場内で巻き起こる和生コール。右手を力強く掲げ、満面の笑みで検量室前に引き揚げてきた横山和は「完璧!おまえはいい子だな本当に」と相棒を力強く抱きしめた。
レースプランも完璧だった。好発を決めると、すぐさまインの好位4番手をゲットした。出遅れから強引に隊列を引っ張った
デシエルトが、5F通過で刻んだタイムは57秒5。だが、そんなハイペースにも焦ることなく、じっくりじっくり呼吸を合わせながら歩を進める。勝負どころ、4角での手応えは抜群。仁川の急坂をものともせず、鞍上が力を込めれば込めるほど鋭く伸び、後続を1馬身突き放してみせた。
まさに人馬一体でつかみ取った勝利。勲章の鞍上は「流れは十分に読めていたし、取りたいポジションは取れたので、ペースよりもリズム良くこの子と走れたことが一番の勝因かな」と最高のエスコートで戴冠へと導いた。「スタートが速くて操縦性も高いし、折り合いもつく。こんなに乗りやすい馬いるのかなあ。やりたいレースをかなえてくれる馬」と改めてパートナーの能力にほれぼれしているようだった。
自ら手綱を取って、試行錯誤しながら調教を進めてきた上村師。愛馬の能力を信頼しているからこそ、1週前追い切りでは「まだ動き切れていない」と厳しい
ジャッジを下した。「いつも当週は軽くだけど、間隔があいていたこともあったし、今回は1週前の動きも踏まえてしっかりと負荷をかけた。それで勝負できるところまで持って来られた」。完璧なパフォーマンスを引き出し、結果に結びついたことに「素直にうれしい」と安どの表情を見せた。
5歳初戦を最高の形で飾ったが、もちろんこれで満足することはない。指揮官が「
宝塚記念(6月15日・阪神)が目標になってくるのかな。馬は一段と良くなっているし、こんなに強い競馬をしてくれて改めて能力を感じた」と目を細めれば、鞍上も「まだまだ良くなる余地を残していると思うし、本当に順調に無事に行ってほしい」と拳を握る。さらなる飛躍の1年へ-。快進撃はまだまだ続いていく。
提供:デイリースポーツ