「
ドバイワールドカップ・UAE・G1」(5日、メイダン)
今年も日本馬が輝きを放った。シーマCでは
ダノンデサイルが初の海外挑戦で見事に勝利。ダービー馬の強さを世界に見せつけた。ターフでは
ソウルラッシュが香港最強馬
ロマンチックウォリアーを破る大金星。UAEダービーは
アドマイヤデイトナが勝利して
ケンタッキーダービーの出走権を獲得した。一方、総大将として臨んだワールドCの
フォーエバーヤングは、断然の1番人気に応えられず3着に沈んだ。
単勝1・1倍。誰もが信じていたが…。史上初となるサウジC→ドバイワールドCの連勝劇を狙った
フォーエバーヤングは、直線で懸命に脚を伸ばすも3着止まり。ほぼ確実視されていた中東での覇業達成は霧散した。
何かがおかしかった。スタートを決めるも道中の進みが悪い。各馬が包囲網を敷いてくるのは想定済みだった坂井だが、「ポジションをキープするのが精いっぱいで、ずっと押し続けた結果あのレースになりました」と、終始自分との戦いになってしまったことを明かす。ようやくエンジンが掛かった残り200メートルからは意地で伸びてきたが、時既に遅しだった。
前走のサウジCで
ロマンチックウォリアーとの死闘を制し、レーティング世界1位を獲得。昨年8馬身差で優勝した
ローレルリバーなど有力馬の回避で、戦前は断然の1強ムードが漂った。坂井は「分かってはいましたが、甘くはなかった。勝たなければいけない馬で勝ち続ける難しさを感じました」と絞り出した。
異変はレース前にも。パドックで頭を上下に激しく振るなどいつもより激しくイレ込み、周回を重ねても落ち着きは取り戻せない。「アウェーの洗礼。ひどい仕打ちを受けた」と、それ以上は語らなかった矢作師だが、レースに至るまでの過程で外部から誘発されたアク
シデントがあったのかもしれない。「それでも、そんなことははね返さないといけないメンバーですから。言い訳はできない」とトレーナーは責を自らにも負った。
それでも、この敗戦を意味のあるもにするのがチーム“YAHAGI”の強さ。「調教師も騎手もまだまだ力が足りない。またやり直したいと思います。馬、スタッフともに一生懸命やった結果なので、これを受け止めて次につなげたい」。最強を証明するために-もう一度、ここから歩き始める。
提供:デイリースポーツ