◆第85回
桜花賞・G1(4月13日、阪神・芝1600メートル)
チューリップ賞がG2に昇格した18年以降、前走
トライアル組から勝ち馬が出ておらず、本番に直結しにくい傾向となっている。阪神JFからの直行馬が3勝で、残る4頭は他の路線。今年の
トライアルは1週前倒しになっているが、過去7年の傾向から他路線組に注目してみた。前哨戦編では、G3・クイーンC(2月15日、東京・芝1600メートル)の勝ちっぷりが見事だった
エンブロイダリーを掘り下げる。
前走は前半の4ハロン通過が45秒7の速い流れを2番手で先行し、後半は46秒5でラップは11秒5―11秒5―11秒6―11秒9。全て12秒台を切る流れのなか、楽な手応えであっさりと抜け出して2着の
マピュースに2馬身半差をつけた。勝ち時計1分32秒2は、従来の記録を0秒3更新するレースレコード。同じ舞台で前の週に行われた古馬重賞の
東京新聞杯より0秒4速かった。5着以内のうち3頭は4角で7番手より後ろ。差し馬が上位に来た決着を考慮すれば、2番手から押し切った内容は高く評価できる。
デビューからの4戦でメンバー最速の上がり。自在な脚質から、安定した持続力のある末脚を引き出せるのは大きな強みだ。全3勝は左回りだが、「右回りも問題ない」と森一調教師。昨年9月の
サフラン賞で5着に敗れたが、急坂のある中山でもしっかり脚を使えており、初めての阪神コースにも対応は可能だろう。(山本 理貴)
スポーツ報知