日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社・後藤光志(29)が担当する。先週のドバイ国際競走では日本馬が3勝をマーク。普段はしのぎを削るラ
イバルが“
チームジャパン”として結束を強めた現場を取材した。
現地時間5日に行われたドバイ国際競走。5RのUAEダービーを
アドマイヤデイトナ、7R
ドバイターフを
ソウルラッシュ、8RドバイシーマCを
ダノンデサイルが制し、日本馬の強さを改めて世界に証明した。
同じ日本馬でも勝利を目指す上ではラ
イバル。しかし、その一方で“日本代表”としての結束を垣間見る場面もあった。4RのアルクオーツS。
ウインカーネリアンが日本勢最先着となる2着。すんなり先手を奪うも、ゴール直前で勝ち馬に捉えられた。「ここを勝って
チームジャパンに勢いを付けたかったんですけど、悔しい結果になった」。レース後、そう振り返った三浦のコメントが印象的だった。世界の強豪が一堂に会す大舞台。これは国の威信を懸けた戦いでもあるのだ。
レース前日、日本国総領事公邸に関係者が招待されランチ会が開かれた。騎手や調教師、馬主らが出席。生魚や、すき焼きなどの日本食が振る舞われ、英気を養った。関係者を出迎えた今西淳総領事は「日本馬の活躍はドバイでも大変注目されている。日本の方の活躍を世界に広めるために、そういった方々の活躍を使わない手はないなと。関係者の方に日本食を提供して、少しでも
リラックスしていただければなと思っています」と開催経緯を語った。
ドバイの人口は350万人ほど。そのうち9割が外国人で、日本人は約3500人。「日本人は少ないですが、日本へ対する評価は非常に高い。日本人が扱うものは工夫されていて、丁寧に作られていると思われている。街を走る車は大半が日本車ですし、耐久性やアフターケアを含めても非常に高い評価を得ています」と今西総領事。そうした日本への評価は競馬にも通ずるものがあるという。「連日、現地の新聞は日本馬について報道していますし、皆さん、どの馬が招待されるのか1カ月以上前から気にしている。日本馬だから活躍するでしょう、というくらいの目線で見ていると感じる。あそこまで徹底して時間を管理してケアをしているのだから、と。それくらい評価が高いのです」。
レース当日、現地観戦した今西総領事の目の前で
チームジャパンは躍動した。興奮の続きは、また1年後。次のドバイではどんなドラマが待っているのか、今から楽しみで仕方ない。
◇後藤 光志(ごとう・こうし)1995年(平7)12月8日生まれ、愛知県出身の29歳。20年にスポニチ入社。整理部、福島支局を経て、24年4月にレース部に配属。
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