「
桜花賞・G1」(13日、阪神)
デイリー杯クイーンCを完勝した
エンブロイダリーは9日、早めの栗東入りから同坂路で最終リハを敢行。タイムは決して目立つものではなかったが、完璧な折り合い、俊敏な
ギアアップと文句なしの内容で名手・モレイラをうならせた。
フェアリーSを制して以来となる
エリカエクスプレスも同じく坂路で軽快な動きを披露。また、フィリーズR覇者
ショウナンザナドゥも
パワーアップした姿を見せつけた。なお、出走馬と枠順はきょう10日に確定する。
想像を超えた動きの良さが、名手の目を輝かせた。
デイリー杯クイーンCを制してクラシック候補に名乗りを上げた
エンブロイダリーは、レース連覇を狙うモレイラを背に栗東坂路で併せ馬。序盤は
タイセイフェスタ(4歳2勝クラス)を先行させてリズム重視で追走したが、折り合いは完璧でフォームにも乱れは全く見られない。軽く合図を送られると、スッとギアを上げて併入でフィニッシュを決めた。
「オーバーワークにならないようにやりましたが、文句なしですね。悪いところは何もなく、いろいろな意味で満足しています」と鞍上は曇りのない表情で調教内容を絶賛した。時計自体は4F53秒5-39秒0-12秒4と軽めだが、数字以上に速さを感じさせる好アクション。モレイラ自身、昨年6月の新馬戦(2着)以来10カ月ぶりの騎乗となったが、「体が大きくなっているし、経験を積んだことでメンタルも良くなっている」と心身の成長を口にした。
今回は初の関西圏での競馬。長距離輸送の負担を減らそうと、陣営は栗東滞在で調整することを選択した。「最初の3日間はカイバ食いが落ちましたが、その後はリカバリーできています。体重はきのう(8日)に量って478キロ。前走より少し減るくらいで出せると思います」と森一師。環境にも慣れ、順調な調整過程を歩んでいる。
前走の勝利で一躍注目を浴びる存在になった。勝ち時計の1分32秒2は、今回のメンバーでNo.1の持ち時計。モレイラが「
ハイスピードを長く維持できる馬」と話したように、速力がこの馬の最大の武器と言っていい。それだけに、週末の雨予報は気になるところ。「天気は少し気になります。跳びが大きくて、スピードがある馬ですから、いい馬場でやらせてあげたい」と指揮官は良馬場決戦を希望する。先週の
大阪杯がレコード決着。同じような馬場コンディションなら、桜冠奪取が見えてくる。
◆調教診断 栗東入りして2週間。坂路での最終追い切りは少しだけ気負っているようにも映ったが、許容範囲と言えよう。いつも通り美浦で調教していた前走の
デイリー杯クイーンC1着時よりも、落ち着いているように見える。レースに行ってどう出るかは分からないが、繊細なタイプが多い牝馬だけに、現時点ではそれがプラスに働くと
ジャッジしていい。
提供:デイリースポーツ