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桜花賞追い切り(9日・栗東トレセン)
第85回
桜花賞・G1(13日、阪神)の追い切りが9日、東西トレセンで行われた。「考察」追い切り編は、滑らかな加速でしまいの脚が目立ち、トップの「G」評価となった
エリカエクスプレスを取り上げる。枠順は10日に決定する。
調教スタンドのモニター越しにも加速感が伝わってきた。2戦2勝の
エリカエクスプレスは坂路を単走。テンから力強いかき込みで入り、ラスト2ハロン地点にさしかかると、スイスイと流れるようにスピードに乗った。弓を引くような伸び脚で54秒6―11秒7をマーク。状態の良さがひしひしと感じ取れた。
全体時計が示す通り、追い切りの意図は負荷をかけすぎないようにサラッと。杉山晴調教師は「1週前にあれだけやっているので、軽くというか別に追ってはいないんですけど。普通に走っているのに時計が出てしまう」と天性のスピードに舌を巻いた。持ったままでもさすがと言わざるを得ない瞬発力。引っかかっているわけではなく、実に滑らかな加速だった。
しっかり負荷をかけた3日の1週前追い切りでは圧巻の時計。栗東・CWコースで6ハロン78秒3―11秒2をマークした絶好の動きを、トレーナーは「道中の折り合いもついて、時計もそんなに出ていると思わなかった。見た目以上にスピードがある」と高く評価した。
前走の
フェアリーSをレースレコードを0秒9更新する勝ち時計1分32秒8でV。前半1000メートル通過が57秒3の急流を、先行して押し切る中身の濃い勝ちっぷりでその能力を改めて証明した。そのうえで、指揮官が勝敗を分ける最大のキーポイントとして挙げるのは、本番の精神状態だ。
エピファネイア産駒の牝馬だけに、気性の激しさは懸念されるが「
フェアリーSの時より落ち着いてくれているので、調整が進めやすい」と成長を感じ取る。平常心で臨めれば、桜の女王の座はグッと近づく。(山本 理貴)
スポーツ報知