4月12日の福島5R・3歳未勝利戦(芝2000メートル＝16頭立て)で、水沼元輝騎手が騎乗した16番人気のベラトール(牡3歳、美浦・西田雄一郎厩舎、父ミッキーグローリー)が勝利。同騎手は昨年3月2日から5月26日までの通信機器(スマートフォン)の不適切使用および偽装工作が発覚し、同年5月31日から今年2月28日まで9か月間の騎乗停止処分となっていた。

　同馬のデビューは2月2日の東京で12着。2戦目も初戦同様にスタートのタイミングが合わず後方からの追走になったが、道中は中団の後ろでエネルギーを温存した。3角過ぎからスパートをかけると、ライバルが外に進路を取る中、内ラチ沿いの経済コースを進んで直線へ。狭い内を割ってくると最後の坂を上ったあたりで先頭に立ち、外から伸びてきたサンカシグレの追い込みをしのいだ。16番人気だった同馬の単勝は347・4倍、3連単の配当は401万4510円という大波乱を巻き起こした。

　この勝利に水沼騎手の所属先である加藤和宏厩舎の公式Xがレース直後に「騎乗停止期間中も今も休日返上で毎週牧場に乗りに行って、人知れずトレーニングも欠かさずやってたもんなー　朝は1番遅くきて1番遅くに帰ってたもんね　100％元輝が悪いことして騎乗停止になったのはなったけど　くさらず努力してるのをお天道様は見てるんよ」(原文ママ)とたたえた。続いて「西田先生と乗せて頂いた関係者の方々本当に感謝です　応援してくれてたオーナー様、ファンの皆様、感謝の言葉では表せないほど感謝しかないです」と締めくくった。

　この勝利にXでは「水沼騎手」「水沼くん」がトレンド入りしたほどで、SNSでは「感慨深いな」「物凄く大きな恩返ししましたね」「頑張り続けた水沼騎手には拍手です」「加藤先生の深い愛のおかげですね」「依頼増えたらいいですね～」「制裁期間明け初勝利おめでとうございます」「努力が報われて良かったですね！」「今度は加藤厩舎の馬でやってやろうぜ」「支えてくれる人がいたら絶対這い上がれます」「マジで人ってこうやって更生していくんだなって」「この勝利はとても大きな意味のある勝利」「今の時代に人情溢れる素敵な話があるんだな」など称賛のコメントがあふれている。

スポーツ報知