「阪神牝馬S・G2」(12日、阪神)
良血開花の時が来た。朝日杯FS覇者
サリオスなど兄姉にオープン馬4頭がいる9番人気の
サフィラが6度目の挑戦で重賞初制覇。ヴィクトリアM(5月18日・東京)の優先出走権を手にした。
好発を決めて道中は2番手から。平均よりやや遅いペースでも難なく折り合い、直線に向かう前からスパートを開始した。じわじわと加速して逃げ馬をパスすると、ゴール前は3頭が横並びになる大接戦となったが、松山の右ムチに応えて勝負根性を発揮。先頭でゴール板を駆け抜けた。
殊勲の鞍上は「本当にすごくうれしいです」と破顔一笑。「昔はためていい脚を使っていたので前回はそんな競馬をしましたが、今回は変えてみました。しっかり脚を使ってくれて良かったです」と、長くいい脚を引き出した。
先週の自己条件に向かうプランもあったが、格上挑戦で重賞V。してやったりの勝利に池添師も「めちゃくちゃうれしいです」と顔をほころばせ、「ジョッキーもうまく乗ってくれました。間隔もタイトではないので、問題なければG1へ」と本番を見据えた。
レース2日前の4月10日は落馬事故で命を落とした藤岡康太さんの命日。この日、有志の騎手がピンク色の喪章を着けて臨んだ。「康太さんにありがとうと言いたいです」と松山。志半ばでこの世を去った先輩の思いも胸に、最前線で輝き続ける。
提供:デイリースポーツ