◆第43回ニュージーランドトロフィー・G2(4月12日、中山・芝1600メートル、良)
12日に行われた2重賞は、ともに格上挑戦した馬が勝利した。第43回
ニュージーランドT・G2(中山)は、
イミグラントソング(石川)が
朝日杯FS覇者
アドマイヤズームを差し切ってV。3着の
コートアリシアンまでが
NHKマイルC(5月11日、東京)の優先出走権を得た。
断然人気のG1馬を力でねじ伏せた。4角で大外に持ち出された
イミグラントソングは前を行く
アドマイヤズームを目標に一完歩ずつギアを上げる。急坂をものともせず、先に抜け出した2歳マイル王者に詰め寄ると、ゴール手前で図ったように首差とらえ切った。石川は「最後は人気馬の脚が上がったところをしっかりととらえてくれた」と冷静に振り返った。
1勝馬ながらも単勝は2番人気。それに見事に応える勝利となった。辻調教師は「相手は休み明けだったですけど、G1ホースを差すというのは力があるという証明」とポテンシャルを再確認した様子。自身が管理する
ファンダムが
毎日杯を制し、それに続く重賞2勝目と厩舎も一気に上昇気流に乗る勝利となった。
やや遅れ気味のスタートで、序盤はリズム重視。ロスを最小限に抑え、じわじわポジションを上げる石川の好リードが上がり3ハロンメンバー最速33秒1の末脚を引き出した。「前回は人気を裏切る形になってしまったので、その反省を生かして乗ろうと思いました」と重圧のかかる舞台できっちりと結果を残した。
トレーナーは次走について「馬の様子とオーナーサイドと相談して」と話すにとどめたが、優先出走権を獲得した
NHKマイルCは当然視野に入ってくるところだろう。まだまだ成長の余地を残す
マクフィ産駒の進撃がこれから始まる。
(石行 佑介)
イミグラントソング 父
マクフィ、
母エルノルテ(
父ディープインパクト)。美浦・
辻哲英厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザン
ファームの生産。通算5戦2勝。総獲得賞金は6797万4000円。重賞初勝利。馬主は吉田勝己氏。
スポーツ報知