「
桜花賞・G1」(13日、阪神)
名手に導かれ、3番人気の
エンブロイダリーが牝馬1冠目を奪取した。
ジョアン・モレイラ騎手(41)=ブラジル=は昨年の
ステレンボッシュに続く、騎手としては史上7人目の
桜花賞2連覇。昨年厩舎を開業した
森一誠調教師(47)=美浦=はJRA・G1初勝利。2着に2番人気の
アルマヴェローチェ、3着に4番人気の
リンクスティップが入った。1番人気の
エリカエクスプレスは5着に終わった。
◇ ◇
力のある馬が、力通りの走りを見せましたね。現段階では、2歳時から実績を積み上げてきた馬の力が上なのでしょう。
勝った
エンブロイダリーは、中団あたりで流れに乗って、直線はうまく馬群の中を割って伸びてきました。東京コースに良績のある馬だから右回りがどうかと思っていたけど、上手に走っていましたね。馬場状態を考えれば、勝ち時計の1分33秒1も優秀。馬格もありますし、いずれにしてもこれからが楽しみな馬です。しかし…この日のモレイラはあまりいい競馬をしていなかったけど、もしかしたら
桜花賞のためにずっと“どこを走ればいいのか”と馬場を見ていたのかな(笑)。本当に、ここ一番で鮮やかなレースをしてくれますね。
2歳女王の
アルマヴェローチェが2着。岩田(望)君もファンが納得するような競馬をしていましたが、馬は昨年の阪神JF以来。そのあたりが最後の伸び脚に微妙に影響した感じがします。3着の
リンクスティップはしまいにかける競馬で追い込んできました。末脚には見どころがありましたし、距離が延びて良さそうなタイプですね。
1番人気の
エリカエクスプレスは5着でした。この馬はスタートが速いですね。いい枠で、あれだけいいスタートを切ったら引っ張り続けるわけにもいきませんし、むしろあのペースと馬場状態を考えればよく走っていますよ。このレースがまだ3戦目。勝った
エンブロイダリーは既に5戦していましたし、今回は経験値の差が出た感じがします。(元JRA調教師)
提供:デイリースポーツ