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【南井克巳元調教師 豪腕の視点】勝敗を分けた1、2コーナーの攻防 番手でしっかりと折り合いをつけたダブルハートボンド

デイリースポーツ
  • 2025年12月08日(月) 06時00分
 「チャンピオンズC・G1」(7日、中京)

 3番人気のダブルハートボンドはゴール前の大激戦を制し、G1初制覇を果たした。牝馬Vは15年サンビスタ以来、10年ぶり2頭目の快挙。鞍上の坂井瑠星騎手(28)=栗東・矢作=は23、24年のレモンポップに続き、3年連続の勝利だった。2着に惜敗した2番人気のウィルソンテソーロは3年連続の銀メダル。3着には7番人気のラムジェットが入り、1番人気の3歳馬ナルカミは13着に終わった。

  ◇  ◇

 勝敗を分けた一番のポイントは、1、2コーナーの攻防だったと思います。勝ったダブルハートボンドは逃げ馬のすぐ近くで運んでいましたが、外から馬が来ても無理に競らず、3番手でしっかりと折り合いをつけました。最後はウィルソンテソーロとのたたき合いになりましたが、粘って勝ち切れたのはあそこでスムーズに折り合いをつけられたことが大きかったです。坂井くんもずっと乗ってきて、完全に手の内に入れていましたね。

 ダートの一線級がそろって、どの馬もほれぼれとする馬体でしたが、勝ち馬は470キロ台の数字以上に体を大きく見せていました。牝馬で勝つのは10年ぶりですか?本当に大したものですし、勝利に導いた坂井くんの手腕も光りました。

 2着のウィルソンテソーロも強かったです。内でじっくりと運んで最後は力強く伸びましたし、勝ったかなと思わせる走りで貫禄を感じました。3年連続2着は能力がないとできません。3、4着のラムジェットメイショウハリオも力を見せましたし、本当に見応えのあるレースでした。

 僕も注目していたナルカミルクソールカフェの3歳勢は残念な結果でした。この勝ち時計なら十分走れていたとは思いますが、ダートは経験がモノを言いますし、現時点ではその差が出てしまいました。これから実戦を積んでいけば変わるでしょうし、また改めて期待したいですね。(元JRA調教師)

提供:デイリースポーツ

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