異色のディープインパクト産駒マーティンボロが、新潟記念での1番人気の連敗を“12”でストップさせ、大逆転でサマー2000シリーズを制した。
「前走の小倉記念は休み明けで自信がないなか2着。正直、シリーズ制覇は狙っていました。すっきりとした勝ち方ではなかったけど、うれしいですね」新潟に臨場していた安田助手は、後味の悪い“ジグザグ走行”に苦笑いしながらも愛馬の頑張りをたたえた。
マーティンボロは誕生日が09年8月20日という並外れた遅生まれ。実は季節が逆のオーストラリアに輸出される予定で種付けされたが、現地で馬インフルエンザが流行したために計画が頓挫し、日本で生を受けることになった。「体質が弱く成長までに時間がかかったが、ここにきて実が入って本格化してきた印象です」と安田助手。5歳秋を迎えたこれからが“旬”だ。
そして、友道厩舎にとってはどうしても勝たなければいけない理由があった。8月31日の新潟・信濃川特別に挑んだ期待馬アドマイヤディープが、ゴール前で故障して落命。今回はいわば“弔い合戦”だったのだ。「本当にアドマイヤディープにはかわいそうなことをしてしまった。もしかしたら後押ししてくれたのかも…」。ポツリとつぶやいた安田助手の目からは、涙が次々とあふれ出ていた。
「最後は力が入った。次走はオーナーと相談してからですが、秋の目標は天皇賞になるでしょう」と、友道調教師は札幌で今後の展望を語った。志半ばでこの世を去った僚馬の思いも受け継ぎ、第9代サマー2000シリーズ王者はGIへの階段を駆け上がる。
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