「オーナーや関係者に感謝して、悔いのないように乗るのはどのレースも一緒。緊張感はあるけど、重圧はないよ。今の時季の未勝利なんて、それこそ勝ちたい気持ちが強くなるし、緊張もするからね」と話した上で、「今回も指名してもらえてありがたいと思っている。ゴールドシップにはいいタイミングで乗せてもらえたし、運も良かった」
ロンシャン競馬場では初騎乗になる。「内ラチ沿いを回ればゴールには着くんでしょ(笑い)。何回もテレビで見ているし、豊(武豊)に乗り方を聞きますよ」と、どこまでも気負いはない。
フランスの馬場が合うと言われてきた。実際にまたがった感覚も含め、横山典は肯定も否定もしない。「ディープインパクトでも負けたし、メイショウサムソンも馬場が合うと言われながら結果は残せなかった。いろんなことが初物尽くしだから、やってみないと分からない」。
1週前追い切りに騎乗するため、横山典は志願してフランスに渡った。それは“勝つため”ではなく“少しでもゴールドシップをいい状態で出走させるため”。「まずは無事に行って帰ってくることが一番」。横山典は同じセリフを何度も口にする。それは海外遠征の難しさ、怖さを痛感しているからだ。
「自分がホクトベガの運命を変えてしまった」と苦い思い出を振り返る。自身初の海外遠征だった1997年の第2回ドバイワールドC。横山典が騎乗したホクトベガは4角で転倒し、後続馬が巻き込まれる形で追突。左前腕節部複雑骨折により予後不良と診断され、安楽死処分となった。
「あの時、オーナーは遠征に前向きではなかったけど、デットーリとかと一緒に乗りたいという自分の気持ちもあって、行くことになったんだ。それでああいう結果になってしまったけど、オーナーや先生、(生産者の)酒井牧場の人は“お前が無事で良かった”と言ってくれたんだ」。多くを語ろうとはしないが、この一件が横山典の騎手人生に大きな影響を与えたことは間違いない。
「ホクトベガ1頭だけじゃないけど、馬に命を助けてもらって、今こうしていられるんだから」。そんな思いはレース運びにも表れている。時にポツンと最後方から運び、“全力を出し尽くしていないのではないか?”と物議を醸す騎乗スタイル。「馬をケガさせたくないし、俺もケガはしたくない。ホント無事に帰って来るって大変なんだ」。
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