4日、新潟競馬場で行われたサマー2000シリーズ最終戦・GIII新潟記念(芝外2000メートル)は、2番人気のアデイインザライフ(牡5・萩原)が直線で一気に末脚を炸裂させて優勝。手綱を取った横山典は史上4人目、現役では武豊に続き2人目となるJRA全10場重賞制覇を達成した。偉大なメモリアルVに注目が集まる一方で、馬にとっては5歳秋にしての初重賞制覇。今後のGI路線で台風の目となれるか、“遅れてきた大物”の可能性を検証する。
日本一長い直線(658・7メートル)を有する新潟外回りコースとはいえ、後方2番手で4角を回ったアデイインザライフの横山典が選択した進路は馬群の大外。距離ロスもお構いなしに早々と外ラチ近くまでパートナーを導くと、そこからは一直線の伸びで勝利をもぎ取った。数々の記憶に残るシーンを演出してきた横山典の真骨頂とも言うべき大胆騎乗。ゴール前はさながら「直線競馬」のよう。勝ち馬を目標に外ラチに向かって馬群が集結するほど、ベテランはレースを支配していた。
「エンジンをかけたまま何の不利もなく走らせたかったので外に持っていった。新潟(外回り)は直線が長いし、思った通りの競馬。暑さがどうかと思っていたけど、むしろパワーアップしてくれていた。秋はもっと良くなる」(横山典)
この勝利で2009年に小倉大賞典(サンライズマックス)を制してリーチをかけていた全10場重賞制覇も達成。「(デビューから)30年かかって、やっと勝ててうれしい」と喜びをかみ締めるようにはにかんだ。
勝ち馬は15年2月に引退した鈴木康弘元調教師の管理下から、弟子にあたる現在の萩原調教師のもとに転厩した経緯がある。デビュー3戦目のGII弥生賞でトゥザワールド、ワンアンドオンリーに続く3着に入るなど、素質の片鱗を早くからのぞかせていたが、鈴木康元調教師のクラシック最終年での悲願達成はならなかった。それでも500万下から一歩一歩階段を上ってつかんだ初タイトル。55キロのハンデを利したとはいえ、実に14年皐月賞(16着)以来の重賞挑戦を、休み明けでものにした意義は大きい。
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