ヴィクトリアマイルに出走予定の
アプリコットフィズが、坂路で追い切りを行い、50.8-36.6-24.3-12.2秒の時計をマーク。追い切りの様子や状態について、陣営に取材した。
【小島太調教師】
「最終追い切りは、平均のペースで坂路を上がるように指示をしましたが、あまり引っ張らないで、いい感じで上がってきました。昨年からこのレースを目標にしてきまして、年明け2戦(中山牝馬S・8着、ダービー卿CT・6着)を消化してきたのですが、着順的には納得できるものではありませんでした。力んで走っていたので、その分、しまいが伸びきれなかったのではないかと感じています。
使われて3戦目となる今回は、良い状態で迎えられると思っています。右回りの時は、どうも平均的に力んで走ってしまうレースが多いようですが、東京コースでは、引っ掛からないでレースを進められる傾向にありますから、今回は彼女の持ち味を出せると思っています。
昨年の
ヴィクトリアマイル当時は、飼い葉の食いが良くなかったり、疲れが残ったりしていたこともあり、もうひと踏ん張りができなかったのかもしれません。元々が、食の細い馬でしたが、去年の秋あたりから、飼い葉食いが良くなりました。他の馬よりも、飼い葉を早く食べ終わていることもありますよ。そういう点では、昨年とは違いますし、不安もないですね。
位置取りはどこでもかまわないですから、折り合いさえついていけばいいと思っています。先行しても、中団にいても、後方にいても、向こう正面を気持ちよく走ってくれればいいですね。
この馬に関しては、早くからこのレースを意識をしていていました。昨年も意識をしていましたが、今年の方がいろいろな面で完成に近い状態だと思っていますので、今年は大きな期待を寄せています。ここ2戦、期待を裏切る形になってしまいましたが、コンデションは絶好だと思いますので、力まずに彼女らしい走りをしてほしいですね」
【吉永護調教助手】
「使われながら、馬が良くなっていますね。多少、体に余裕があるかなと思いましたがけど、今日の追い切りで良くなると思います。東京のマイル戦は、条件的にも合っていますので、あとは折り合いが鍵となりますが、GIレースですし、ある程度流れてくれるでしょうから、大丈夫ではないでしょうか」
【小島良太調教助手】
「実は、去年と今年は同じパターンなんですよね。おととしの
秋華賞で3着になった時に、翌年は楽しみだと思っていたら、年明けから結果が出なくて…。
今年も、去年の秋から成績が出始めて、また来年は楽しみだなと思っていたら、やっぱり年が明けて、成績が今ひとつですからねえ。速いところをやれば、毎回、同じような時計は出るし、状態は悪くないんですよ。今日の追い切りも、良かったですしね。あまり器用じゃないから、中山のようなコースはどこかで機嫌を損ねるのかもしれないですね。
そういう意味では、広い東京コースはいいと思いますよ。細身に見えますけど、
パワータイプで、後ろ脚を踏み込んでいく時は、力強いです。泥んこ馬場の
オークスも、他の馬みんなみんな外走っているのに、この馬は内ラチ一杯走って6着。内を走って伸びてきた馬は、この馬だけでした。昨年秋の富士S2着の時も馬場が悪かったですし、力で押していくタイプなので、道悪になったとしても大丈夫だと思いますよ」
十分勝ち負けできる能力の持ち主だけに、得意の東京コースでの巻き返しなるかどうか、大いに注目したい。(取材:佐々木祥恵)
【お知らせ】
GI週の木曜12時公開のコラム「激白」に、小島良太調教助手が登場。入厩当時から厩舎が大きな期待をしていた
ミッドサマーフェア。
桜花賞は賞金不足で除外になってしまうも、
フローラS快勝で
オークスに駒を進めました。「レースが楽しみだ」と手応えを語る小島良太助手。インタビューの公開は
オークス当週の5/17(木)12時。ご期待ください。