栗東は7月1日は日中雨。その量も非常に多く、2日こそ日照時間も長く、馬場が乾く環境にあったが、3日になると再び雨が降り、4日の追い切りには大きな影響があると思われた。よってDPやD芝を追い切りに使う厩舎も増えたが、
七夕賞に出走を予定している
トーセンラー(栗東・
藤原英昭厩舎)もそんな一頭。
調教馬場開場直後に栗Eコースを手前から出て、2コーナーのDP入口まで移動。芝コースに入ってもいきなり加速というわけではなく、6F標識が近付いたあたりでようやくキャンターといった感じ。先行していた
ネオヴァンドームの内を突くが、相手の手応えも良く、結局ゴールまで前に出ることはなかったが、持ったままでの追い切りだったため、こんなものだろう。ちなみに芝コースは5F64秒が基準。芝の掘れ具合から特に時計の掛かる馬場だったとは判断していないので、この時計自体はごく標準的な数字だろう。
【坂路/4F51.9秒】
4日。朝一番は「今日は時計が掛かるなあ」という声が各調教師から聞こえてきた。確かにこの日の一番時計は
カオスモス(栗東・
森秀行厩舎)の4F51.7秒。52秒を切った馬もわずか3頭だったので、時計が掛かっていることは間違いないが、先週、ス
プリント重賞(
CBC賞)が終わったため、坂路で時計が出るようなタイプが今週の追い切りに少ないという環境もあったと思われる。
コマノガレオス(栗東・鮫島一歩厩舎)は52秒を切ったうちの1頭。3歳未勝利だが、勝ち上がるだけの潜在スピードは十分に兼ね備えている。出走予定の中京ダート1200mには出走できそうにないため、他のレースに回る可能性が高いが、短い距離であれば、十分に馬券圏内の可能性がありそう。
なお、馬場差は4日、5日ともに先週より時計を要した『+1.2秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
4日、5日ともに、先週の馬場状態が良かったこともあるのか、雨の影響を全く受けていないように見られた。多少動きが重い馬もいたが、それは夏バテなど馬自身に何らかの症状が出ている場合だろう。
動きが良かった馬が多いので、馬名だけ列記しておくと、併せ馬をしてどちらも手応えに余力があった
マイネルカミカゼ、
マイネルガヴロシュの2頭(ともに栗東・五十嵐忠男厩舎)。馬場の荒れたハロー前に単走で6F80.7秒をマークした
コンカラン(栗東・
吉田直弘厩舎)。ハロー明けながら道中速いラップを刻みながら、6F81.7~1F12.6秒でまとめた
トップゾーン(栗東・境直行厩舎)といったところ。
なお、馬場差は4日、5日とも先週と同じ『+0.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
芝コースを利用する馬とともに、DPを利用する馬が多数いた4日。やはりテンから飛ばしても終いまでスピードが衰えないのがこのコースの特徴だが、5F63秒切りも乱発。特に3歳未勝利で全体時計が速く、終いもしっかりした馬が多くいた。
その中の1頭は
エーシンヴンダバー(栗東・松永昌博厩舎)。坂路での追い切りでは目立った動きを見せていなかったが、
ラインレグルスとの併せ馬では遅れたものの、5Fで62秒切り。この動きが実戦に繋がるようなら、馬券的妙味は大きいだろう。
よって馬場差は先週以上に速い時計が数多く出ており、水分を含んだことで時計が出やすくなっていると判断して、先週より時計の速い『-0.9秒』とした。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。[取材:井内利彰]