ここ数日の栗東は雨が降ったという記憶よりも、太陽が燦々と照りつける、そんな暑い印象しか残っていない。湿度が高いこともあり、蒸し暑い日が多く、人も馬もバテ気味という状況ではあるが、ウッドチップ馬場に関しては、程よく乾燥していて走りやすい状態。
【坂路/4F51.9秒】
18日。一番時計は
ノーブルディード(栗東・
清水出美厩舎)の4F50.2秒。この数字は先週の
アフォードより0.1秒速い。しかも追い切られた時間が8時20分頃と、ハロー明けからかなり時間が経っている時。「具合はいい」と担当する土屋均助手だったが、ある程度時計の出やすい馬場であることは間違いない。
19日は一番時計が
スマートルシファー(栗東・
小崎憲厩舎)の4F49.9秒。テンから13秒を切るラップで飛ばしながら、ラストも13秒を切る高速ラップ。18日、19日の両日を見ても、2F25秒を切った馬がかなりの頭数いるので、今年に入って初めて基準時計より速い馬場差をつける必要がありそう。
以上のような状況を考慮し、馬場差は18日、19日ともに『-0.2秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
栗東に在厩している頭数が少ない関係もあり、18日は水曜日にしては追い切り頭数が少ない感じ。19日にいたっては朝一番で数頭追い切ると、あとのハロー明けで追い切るような馬はほんの僅かで、ハロー掛けも必要ないのではないかと思うくらい。
そんな馬場だけに、追い切りで良い動きを見せる馬は多かったが、逆にバテ気味で鞍上が押しても前に進まないような馬もいる、好不調がハッキリと分かるのが、今のCWの特徴かも知れない。追い切りが目についた馬を列記しておくと、追い出してラスト1F鋭伸の
レッドグラサージュ(栗東・
藤岡健一厩舎)、追えば追うほど伸びそうだった
シゲルイルカザ(栗東・五十嵐忠男厩舎)など。
なお、馬場差は18日、19日とも先週同様、時計が出る『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
先週の
函館記念や来週の
クイーンSのように、北海道の競馬場でレースする場合に、近年では1週前追い切りを美浦や栗東で済ませてから移動するケースは少なくない。来週の
クイーンSを予定している
エリンコート(栗東・
笹田和秀厩舎)もその1頭。
いつものように角馬場でじっくりと運動した後、DPで登場。テンから引っ掛かるような仕草もなく、ゆったりと進めて、6F82.1~5F64.6~4F51.0~3F37.8~1F11.6秒。まだまだ尻尾を立てる仕草を見せており、近走成績を払拭できるだけの印象はないが、それでも動きは上々。20日に函館競馬場へ移動する予定になっており、場所が変わって、
オークス馬の復活を期待したい。
馬場差は18日、19日とも、先週と同じ『-0.5秒』とした。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材:井内利彰)