今週の栗東は12日から雨も降らず、晴天続き。だからといって、ウッドチップが乾きすぎて、上滑りするような馬場でもなく、時計の出方は相変わらず平均的。
気温に関しては、14日の調教開始直後は涼しさを感じるくらい。ただ、調教時間も後半になると、照りつける日差しが容赦なく、人馬ともに発汗が止まらないといった感じ。先週の当欄でも記したが、この時期は発汗していることが当たり前なので、パドックを周回していて、発汗していないようだと、少し体調面を疑ってみた方がよい。
【坂路/4F51.9秒】
14日。一番時計が
アウトクラトール(栗東・
宮徹厩舎)の4F50.3秒。そして、4F51秒を切ったのが7頭いたので、一見すると、非常に時計が速い馬場のようにも思えるが、4F52秒を切っている馬は51秒切りも含めて、17頭。この頭数はごく平均的な馬場状態の時と変わりないので、極端に時計が出る馬場というわけではない。
速い時計が出た要因は
北九州記念と新潟競馬場で行われる
NST賞。ス
プリント重賞、ダート1200mのオープン特別に出走する馬だけに、坂路でも時計が出るタイプが多い。実際、前記
アウトクラトールはどちらのレースにも特別登録している。
北九州記念出走予定馬で動き、時計が目立ったのが、3歳牝馬の
ローガンサファイア(栗東・
佐々木晶三厩舎)。今回手綱を握る、
武幸四郎騎手が跨っての単走追いだったが、テンから少し飛ばし気味に進めたこともあり、4Fは自己ベストを更新する、50.9秒。少しオーバーワークも心配したが、追い切り後の飼葉食いの様子も全く問題なく、あとは小倉競馬場までの輸送をこなすのみ。今週末の輸送は帰省ラッシュと重なるため、通常より大幅に輸送時間がかかるようだと心配だが、そうでなければ、今の状態の良さをフルに発揮できそうだ。
先週の馬場差は「±0.0秒」だったが、時計の出方は変わりない。よって、14日、15日とも先週と同じ『±0.0秒』で観測した。
【CW/5F66.5秒】
6F80秒を切るような速い時計はあまり多くないが、これはCWコースで時計を出すほどの馬が追い切っていないというだけ。前日のニュースでもお伝えしたように、2歳牝馬の
ハープスターが、楽に6F82.4秒をマークできているので、馬場状態はほぼ平均的だと見てよい。
いつもなら、ここで動きが目立った馬を1頭挙げているが、14日、15日を通じて、動きが良かったのは、先週も取り上げた
マルカボルト(栗東・
羽月友彦厩舎)。時計的には先週と大きく変わらないが、とにかく機敏な動きが目についた。
先週の馬場差が「-0.3秒」。こちらも坂路馬場同様、先週と大きな変化はないので、14日、15日とも、先週と同じ『-0.3秒』の馬場差で観測している。
【DP/5F64.5秒】
好天が続いているため、先週に比べると、5F時計が少し掛かっている印象。だからといって、ラスト1Fで時計を要しているようなこともなく、先週よりも気持ち、馬場差を考慮した方がよいという程度。
今週の出走予定馬で、軽快な動きを見せていたのは、
タマモクララ(栗東・
藤岡健一厩舎)、
ヤマニンボンプアン(栗東・木原一良厩舎)など。特に前者は降級の一戦(小倉7日目8R)になるだけに、勝ち負け必至の仕上がりではないだろうか。
先週の馬場差は「-1.0秒」。それと比較すれば、少し時計が掛かる状態。よって、14日、15日とも『-0.8秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)