昨年の3冠馬オルフェーヴルに、今年の皐月賞馬ゴールドシップ。「父ステイゴールド×母の父メジロマックイーン」の組み合わせから、2年連続でクラシックホースが生まれた。生産界にとっては、まさに黄金の配合。北海道新冠町の大栄牧場(浜口寛社長)は、生産馬で一度は手放したメジロマックイーン産駒のミツワオーロラ(牝10歳)を探し出し、繁殖として乗馬クラブから買い戻した。ステイゴールドとの種付けも、無事に成功。“奇跡の血”を求めたストーリーが動き出した。
乗馬から繁殖へ。ミツワオーロラは、大きな使命を背負って、生まれ故郷である大栄牧場に帰ってきた。
メジロマックイーンを父に持つ繁殖牝馬にステイゴールドを交配すると、驚くほど高い確率で活躍馬が出現する。浜口寛社長(63)は、乗馬になっていた生産馬を買い戻すという、極めて珍しい策を講じた。「マックイーンの牝馬は、たくさんいるわけじゃない。何とか戻したかった」。現在、繁殖として登録されている父メジロマックイーンの牝馬は、わずか58頭。今年の2歳世代では、25頭が子供を送り出しているにすぎない。
ミツワオーロラは、02年5月19日生まれの鹿毛馬。現役時代は、美浦・二ノ宮厩舎に所属したが、6戦未勝利で引退した。メジロマックイーンの産駒全体の成績がいまひとつだったこともあり、オーナーは繁殖入りを望まなかった。そこで二ノ宮調教師は、分場として利用していた千葉のドリームファームへ従業員の乗馬用として預け、その後は、乗馬クラブを転々としていた。
繁殖馬として、ミツワオーロラが戻ってきた大栄牧場
手を尽くして“娘”を捜した結果、3月に神奈川県内の乗馬クラブ「クレイン」にいることが判明した。「たとえ見つかったとしても、血統証がなければ再登録もできない。幸い、この馬の場合、JRAで保管してあったので助かった」と浜口社長。すぐに、買い戻しのオファーを出した。
競馬は言わずと知れたブラッドスポーツ。
この配合をすれば必ず重賞を勝てるだけの力を持つ馬が産まれるとか、そんな単純なモノではないし、時として、突然変異でオグリキャップのような突出した名馬が3流種牡馬から産まれることもある。
今回のケースがどうなるのか、大変、興味深い。
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