8月3日の日曜日に集中的な豪雨。ちょうど1週間前にも同じような雨量があったことも影響したのか、少し雨の影響が残った今週の栗東。極端に時計が遅くなるようなことはなかったが、気持ち重たい馬場になった印象がある。
気温は相変わらず暑い。坂路馬場を駆け上がってくる馬の中には、馬場の頂上地点で脚がもつれて転倒するなど、アク
シデントも多発している。今はしっかり走れていても、8月以降の競走にはダメージを与えそう、そんな疲れが残る懸念もあるのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
6日。一番時計は
フレージャパン(栗東・
森秀行厩舎)の4F49.9秒。この時計が図抜けて速く、50秒台は1頭。そして、51秒台は10頭なので、ベスト2を除くと、極端に時計が速いわけではなく、むしろ先週よりも時計が掛かる印象。ただ、前半をゆったり進めれば、後半は2F25秒を切ることは難しくないので、そういった追い切りができれば、きれいな加速ラップを踏んでいる。
小倉記念に格上挑戦する、
ローゼンケーニッヒ(栗東・橋口弘次郎厩舎)。引っ掛かる癖があるため、普段の調教から工夫されているが、追い切りに関しては、テンから気分のままに行かせている。6日の追い切りもいつも通り。1F目から12.9秒という、短距離馬のようなラップを踏み、12秒台を継続して、最後の1Fは失速。追い切りでもそうだが、気持ちを切らさずに走ることができれば、重賞でも上位争いできる能力はある。
新馬で目立った動きを見せたのが、
ショウナンライム(栗東・
須貝尚介厩舎)。併せた相手
レッドメアラスはPOGでも注目を集める1頭だが、それと併せて、最後の2Fで相手を突き放した。その時に見せた脚が豪快。時計は4F53.5〜3F38.8〜2F24.8〜1F12.2秒で、終いの数字が優秀。牝馬だが、490キロほどの雄大な馬体には
パワーがしっかりと備わっているのだろう。デビューはまだ先になりそうだが、その頃には注目を集めていることだろう。
先週の「±0.0秒」。今週も4F51秒台が少なめだが、51.0秒が2頭。微妙なところで速い時計を出している馬もいるだけに、馬場差に関しては、6日、7日とも先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
先週の当欄でも記したが、Cコースの状態は非常に安定。極端に時計が遅かったり、終いが止まって、急激に減速するようなラップを踏む馬が少ないのだが、それは4コーナーを回ってくる位置で調整しているような感じ。つまり、早々にスタミナがなくなると思われる馬は、4コーナーを極端に内へ進路を選択する感じ。もし、追い切り時計だけで馬の状態を見極めるなら、大外を回って(調教欄の「8」や「9」の表示)、馬なりでラスト1F12秒前半の時計をマークしているような馬を見つけるとよい。
このパターン以外で動きが目立ったのは、
タガノゴールド(栗東・川村禎彦厩舎)。道中は団子状態の3頭併せで進めたが、そのペースが速め。直線になって、他馬の脚色が悪くなる中、本馬だけは最後まで余力十分。6F79.5〜5F65.9〜4F52.6〜3F39.6〜1F13.0秒だが、ラスト1Fの時計はもう少し詰まってくるはずなので、その分、全体時計も速くなるだろう。まだ栗東へ帰厩したばかりだが、すぐにでもレースに出走できそうな態勢が整っている。
先週の馬場差は「-0.2秒」。先週に比べると、気持ちだけ時計が速い印象があり、全体的な時計の出方を見ても、そのように感じたので、馬場差は、6日、7日とも先週と同じ『-0.3秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は芝馬場を追い切りに利用した厩舎があったし、脚ならしのキャンターをした馬もいた。見た目には、極端に傷んでいる感じはなかったので、馬場差は6日、7日とも『+0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の一番時計は、
アウトシャイン(栗東・安田隆行厩舎)の5F60.9秒。ポリトラック好時計の常連、
サンレイレーザー(栗東・高橋成忠厩舎)を上回る時計だけに、状態に関しては申し分ないのかも知れない。馬場差は、6日、7日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)