先週16日に豪雨の影響を受けた栗東。週に一度は大雨が降っている関係で、ウッドチップはかなり水分を含んでいる。19日に坂路の逍遥馬道を歩いてみると、かなり重さを感じたので、時計への影響が大きいと予測していたが、時計の出方をみると、そこまで時計が掛かるという印象はなかった。
19日以降は天候が安定していることもあり、馬場にハロー(整地)が入るたびに、湿ったウッドチップが掘り返されて、乾いていくという印象。今週に関しては、坂路、Cコースともに、ハロー明け2回目の方が時計が出やすい状況だったのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
20日。一番時計は
マックスドリーム(栗東・
宮徹厩舎)の4F50.8秒。50秒台はこの1頭しかおらず、4F51秒台も10頭しかいない。非常に時計の出にくい状態だったが、時計の速い上位3頭はすべて2回目のハローが明けた後に追い切っている。冒頭にも記したように、2回目のハロー明けは開門直後などに比べると時計が出やすい状況だったことは覚えておきたい。
20日の追い切りで動きが目立ったのは、2歳新馬の
ショウナンライム(栗東・
須貝尚介厩舎)。時計は4F53.0秒と地味だが、ラスト2Fの反応の良さが抜群。新潟競馬場でのデビューを予定しているようだが、スピードの出る、軽い芝はいかにも適性十分といった感じがする。
21日。全体時計は全体的に遅めだが、追い切り頭数が20日に比べて少なかったことを考えると仕方ない。この日、圧巻の動きを見せたのが、
アドマイヤディープ(栗東・
友道康夫厩舎)。
レッドフォーチュンとの併せ馬だったが、4F52.8〜3F37.4〜2F23.7〜1F11.8秒。後半2Fの時計は秀逸の一言。体重の軽い、
藤懸貴志騎手が跨っていたとはいえ、2F続けて11秒台のラップを踏めるのは、素晴らしい脚力を持っている証拠だろう。長期休養明けだが、降級の1000万下になるし、復帰初戦から負けられないところだろう。
先週、14日の馬場差が「+0.6秒」。この馬場差は当日に雨が降った影響を加味したもの。13日は「+0.3秒」だったので、これを参考にすると、それより少し時計が掛かっているので『+0.4秒』くらいが妥当と判断。20日、21日ともこの数字で記録している。
【CW/5F66.5秒】
調教馬場が開場となる5時前は随分と暗くなっており、向正面では照明も暗く、前が見にくい状態。そんなこともあってか、開門直後の追い切りは、6Fから5Fのラップが16秒より遅くなる追い切りが多くなった。
20日の追い切りで目についたのは、2歳新馬の
セカンドテーブル(栗東・崎山博樹厩舎)。新馬同士の1週前追い切りで動いたということで、今週は3歳にパートナーを
チェンジ。道中は引っ掛かるような仕草も見られたが、それでいて、6F79.6〜5F65.5〜4F51.7〜3F37.9〜1F12.4秒という数字は見事。体重の軽い見習い騎手が跨っていたこともあるが、新馬としては水準以上のレベルだろう。
21日。
新潟記念(9月7日・新潟芝2000m)に向けての追い切りを行った
マーティンボロ(栗東・
友道康夫厩舎)。前走時は明らかに仕上がり途上だったが、それでも2着したように、地力強化が著しい。追い切りは単走で、6F87.7秒と遅い時計だったが、素軽い動きは前走と雲泥の差。来週の追い切りでは、更に軽快な動きを見せてくれるだろうと期待している。
先週の馬場差は「+0.1秒」。今週も基準時計よりは少し時計の掛かる馬場状態。よって馬場差は、20日、21日とも先週と同じ『+0.1秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場で追い切りは確認できなかった。馬場入りしている馬もわずかだったので、馬場差は20日、21日とも『+0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は普通キャンターで使用する頭数は少なくないが、追い切り時計を出す馬は先週より随分と少なくなった。かといって、馬場が悪くなっているわけではなく、通常時とほぼ同じ。よって馬場差は、20日、21日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)