11月9日(日)に東京競馬場で行われる
アルゼンチン共和国杯(GII・芝2500m)に出走予定の美浦所属各馬について、関係者に取材した。
ホッコーブレーヴ(牡6・美浦・
松永康利厩舎)について、松永調教師。
「前走の
宝塚記念(GI・芝2200m・8着)は、悔しかったですが、ジョッキーも勝とうと思ってあのコースを通ったわけですし、仕方なかったと思います。先週の追い切りは馬也でしたから、今週は一杯に追いました。仕掛けてからの伸びも良かったですし、ゴール板を過ぎてからも負荷をかけましたが、これでできたかなという感じがします。
これまでの成績を見てもわかる通り、気性的に鉄砲がききます。年齢を重ねても気性は変わりませんね。ギュッと強い調教をすると、スイッチが入ります。昨年の秋とは全く違います。体付きも違いますし、充実しています。休み明けで
日経賞で2着に来た時くらいのデキにあると思います。東京は実績がありますし、この馬にとっては競馬がしやすいですね。この後、
ジャパンCに出走させたいですが、ここで2着では賞金が足りないでしょうし、勝って
ジャパンCに向かいたいですね」
フェイムゲーム(牡4・美浦・宗像義忠厩舎)について、宗像調教師。
「前走の
オールカマー(GII・芝2200m・6着)は、新潟のコース条件がこの馬には合わなかったですね。東京で勝っているように、馬場が広く直線も長いこのコースは合いますね。前走後は放牧に出ましたが、牧場でも調教を積んで、約3週間前に帰厩しました。先週は、レースが近いことを理解してもらうために、ウッドチップコースで併せ馬で追い切りました。今日(11/5)もウッドチップコースで併せ馬をやり、後ろから追いかけて併入の形でした。最後まで気を抜かずに、集中していて良かったと思います。
3400mで勝っているように、距離は長くても大丈夫ですし、ここまで掛かることもなかったので、前走よりも距離が延びるのも走りやすいと思います。スタートは悪くないので、スタンド前の発走も問題ありません。ハンデは見込まれた気もしますが、これまで強い相手と戦ったきたので仕方ないかなと思います」
クリールカイザー(牡5・美浦・
相沢郁厩舎)について、相沢調教師。
「前走の
オールカマー(3着)は、新潟コースであまり自信はなかったのですが、スムーズなレースができました。終いも良い脚を使ってくれて、一瞬勝ったと思うほどの良い競馬をしてくれました。前走後は、ここを目標にしっかり調整をしてきました。先週の時点でまだ少し重かったので、今日(11/5)は走る馬を相手にブリンカーを着けて追い切りました。予定より早い時計が出ましたが、それだけ状態が良いのでしょう。
ハンデは1キロ重い気はしますけどね。これまで気性の激しかった馬が、大人になって安定して走れるようになってきましたので、楽しみです。コース条件も良いですし、この馬で大きいところを狙いたいという気持ちがあるので、期待しています」
スーパームーン(牡5・美浦・
藤沢和雄厩舎)について、藤沢調教師。
「前走の
アイルランドT(OP・芝2000m・3着)は、勝ち馬が大逃げの展開でチグハグな競馬になりましたが、速い馬場にも対応できたのは良かったです。3走前の札幌のレース(札幌グランドオープン・1600万下・芝2000m・1着)は、休み明けで重い馬場でしたが、よく頑張ってくれました。その次の
札幌記念(GII・芝2000m・10着)では、さすがに太刀打ちできませんでしたが、昨年秋に
ホッコーブレーヴの2着になった時(
オクトーバーS・1600万下・芝2400m)よりも、力をつけています。今日(11/5)の追い切りは、時計は出ない馬場でしたし、使ってきているのでこれくらいで十分です。長い距離は良いですし、態勢は整っています」
マイネルメダリスト(牡6・美浦・
田中清隆厩舎)について、
蛯名正義騎手。
「坂路を2本やっていますから、時計はあれくらいでしょう。1本だけなら、もっと時計が出たと思いますけどね。併せた相手が
ホエールキャプチャでしたが、動く相手に先着できましたし、動きはとても良かったです。前走の
オールカマー(18着)の敗因はよくわかりませんが、得意の東京コースに戻って期待したいです」
ネオブラックダイヤ(牡6・美浦・
鹿戸雄一厩舎)について、鹿戸調教師。
「乗り難しいところはありますが、能力はありますし、気分良く走れれば前走(
レインボーS・1600万下・芝2000m・1着)くらいのパフォーマンスはできる馬です。前走は、体が増えたのも良かったですし、展開も向いて気持ち良く走れました。前走後は短期放牧に出して、元気一杯に帰厩しました。体調も良さそうですし、順調に来ています。今日(11/5)の追い切りの動きも良かったですよ。難しい面があるので、うまく噛み合ったレースをしてほしいですね。あとはトップジョッキー(戸崎騎手)にお任せします」(取材・写真:佐々木祥恵)