「第52回
アルゼンチン共和国杯・GII」(芝2500m)は9日、東京11Rに18頭で争われ、2番人気の
フェイムゲーム(美浦・宗像)が直線で堂々と抜け出し、後続に2馬身半差をつける完勝劇を演じた。
デスペラードが後続を離して逃げる縦長の展開にも動じることなく、道中は後方を追走。勝負どころで内めを追い上げて前を射程圏に入れると、先に抜け出した4番人気
クリールカイザー(2着)を残り150mでとらえ、最後は突き放す余裕の勝利。2分30秒5の勝ちタイムで、2月の
ダイヤモンドS(東京)以来となる3つ目の重賞タイトルを獲得した。2着から3/4馬身差の3着には3番人気の
スーパームーン。なお、1番人気の
ホッコーブレーヴは、見せ場なく14着に終わった。
「勝負どころで進路があかず四苦八苦しましたが、直線は前の馬を目標に、いい伸びを見せてくれました」と北村宏はうなずく。「気持ちを前に向けるのに苦労した馬。きょうは一生懸命に走ってくれましたね」と、精神面の成長を喜んだ。
先週の
天皇賞・秋を
スピルバーグで見事に射抜いた鞍上は、自身最多となる
JRA年間重賞5勝目。さらに、年間100勝の大台到達というおまけ付きだった。「年間100勝は続けなければ意味がない。もっと早く決めないと」とおごりは全く見られないが、昨年(101勝)の記録更新は時間の問題。玄人好みのプレーには磨きがかかってきている。
次走は未定ながら、馬主のサンデーレーシング・吉田俊介代表は「
有馬記念(12月28日・中山、芝2500m)は前向きに考えたい」とプランを明かす。さらなる高みを目指す人馬から、今後も目が離せない。
提供:デイリースポーツ