牡馬も蛯名&ディープ産駒が輝いた。今年から阪神に舞台を移した2歳王者決定戦。「第66回
朝日杯FS・GI」(芝1600m)は21日、阪神11Rに18頭で争われ、1番人気の
ダノンプラチナ(美浦・国枝)が1分35秒9のタイムで快勝した。道中は後方を追走。直線で外めに持ち出して、水分を含んだ馬場をものともせずに脚を伸ばした。先週の阪神JF(
ショウナンアデラ)に続いて、蛯名騎乗の
ディープインパクト産駒が勝利。まるで再現を見ているような内容で2歳の頂点に立った。3/4馬身差の2着は馬群をさばいて伸びた14番人気の
アルマワイオリ、さらに3/4馬身差の3着には3番人気の
クラリティスカイが入った。
熟練の手綱と言っていいだろう。蛯名はあえてスタート後にポジションを下げた。前日の雨の影響で馬場の内側が荒れ気味に。「ディープ産駒できれいなフットワークをする馬。馬場の悪いところを走らせたくなかった。前半は出して行かず、しまいを伸ばそうと思っていた」とプランを立てていた。狙いはズバリ的中。4角12番手から直線でメンバー最速の上がり3F35秒4の末脚を繰り出し、一気に突き抜けた。
デビュー時から能力の高さは感じていたが、
テンションの高さがネックに。常に折り合い面が鍵となっていたが、この日は違った。「スタッフが操縦しやすいように調整してくれた。おかげでレースでもうまく我慢が利いた」と、殊勲のヒーローは陣営の努力が実を結んだことを強調。1番人気馬が2歳重賞では22連敗中、今秋のGIも
スプリンターズS以降9戦全敗と、嫌な記録が続いていただけに「ジンクスみたいにずっと言われていたので、途切れて良かったよ」と安どの表情を浮かべた。
「ジョッキーがすごく冷静で、うまく乗ってくれた」と鞍上を称賛したのは国枝師。「この後はひと息入れる予定。クラシックへ向けて距離を延ばしていくことになるだろう」と来春に目を向けた。
提供:デイリースポーツ