15回目の挑戦で念願の重賞タイトルを獲得。「第64回
中山金杯・GIII」(芝2000m)は4日、中山11Rに17頭で争われ、4番人気の
ラブリーデイ(栗東・池江)が1分57秒8のコースレコードで勝利をつかんだ。道中は好位馬群の後ろめのポジション。勝負どころで1番人気
ロゴタイプ(2着)の真後ろに忍び寄り、復活を期す
皐月賞馬が抜け出したところに外から強襲。たたき合いからねじ伏せるように抜け出し、1馬身1/4差をつけてゴールに飛び込んだ。さらに3/4馬身差の3着には内めから脚を伸ばした5番人気の
デウスウルトが入った。
もはや“正月の顔”と表現しても大げさではない。引き揚げてくる人馬に中山のスタンドの観客から声援が飛ぶ。「
ベリー、
サンキュー!」。アイルランドから来た助っ人に導かれ、
ラブリーデイが初タイトルを奪取。昨年の
オーシャンブルーに続き“
ベリー&池江厩舎”が初笑いだ。
完璧なレース運びが光った。きっちり差し切る内容に、鞍上は「ロゴが外にいたから引っ張ってくれると思った。厩舎からは100%の状態と聞いていたんだ」と笑みを浮かべた。
ベリーが正月を日本で過ごすのは3年連続。今回も昨年の大みそかに母国を発ち、機上で年を越した。
中山金杯は13年から(2)(1)(1)着とオール連対。その手腕でファンにお年玉を提供している。「中山は内が有利。いい枠を生かして競馬ができた」。自分の庭と化した舞台で今年も輝いた。
「予想外。あんな時計で走るとは」と、快走に目を丸くしたのはオーナーの金子真人氏だ。レコードVは、今年の飛躍を大いに期待させる。
ベリーの好騎乗も手伝い、重賞2着3回の“善戦マン”から脱却。ひと皮むけた5歳馬が芝の中距離路線を盛り上げていく。
提供:デイリースポーツ