5日に急死した
ステイゴールド。デビューの頃からコンビを組み、50戦のうち33戦で手綱をとった熊沢重文騎手が、惜別の思いを語った。
「訃報を聞いて驚きました。種牡馬としてもまだまだ若かったですし、残念でなりません。
デビューの頃から長いことコンビを組ませてもらって、自分では大きいところを勝たせてやれなかったのは残念ですが、あの気の強いところに何回も泣かされてきた馬で、それだけに思い入れもすごくあります。
当時、こんなこともありました。調教にもよく乗せてもらっていたんです。厩舎から坂路に向かう時に逍遥馬道を通るんですが、その道中で、多い時には3回落とされたこともありました。
立ち上がったりも、よくしてましたね。普通の馬なら立ち上がるだけで終わりですけど、
ステイゴールドは立ち上がって、そのまま10歩くらい歩いちゃうんですよ。それでもひっくり返ることがなかった。当時から本当に身体能力が高かったですね。
(産駒の)
オルフェーヴルを見ていても、あの気の強いところがそのまま出てますよね。でも、走る馬って単にうるさいだけじゃない。悪さはしても、手が付けられないくらいにはならなくて、上手くおさまる賢さも持ってる。
ステイゴールドはそういうふうになっていったし、
オルフェーヴルも同じように成長していったように思えます。そういうところも血統なのかなって思いますね。
小柄な馬で、気持ちの強さもあったから、レース後の回復がとにかく早かった。疲れという疲れを感じたことがないですね。たくさんの思い出のある馬。あんな個性的な馬、なかなかいないですよね。ゆっくり休んでほしいです」
(取材:馬サブロー 安里真一)