皐月賞トライアル「第64回
スプリングS・GII」(芝1800m)は22日、中山11Rに12頭で争われ、演歌界の大御所・北島三郎の所有馬で5番人気の
キタサンブラック(栗東・清水久)がデビューから3連勝で重賞初制覇。新たなクラシックの主役候補が誕生した。好枠を生かして2番手をキープすると、直線で早めに抜け出して、後続の追撃を振り切った。勝ちタイムは1分49秒1。首差の2着は中団やや後ろから追い込んだ1番人気の
リアルスティール、さらに3/4馬身差の3着には昨年の2歳王者
ダノンプラチナ(2番人気)が入った。なお、上位3頭が
皐月賞(4月19日・中山、芝2000m)の優先出走権を獲得した。
北村宏は「うまくスタートが切れたし、スムーズに運べた。いろんな形を想定していたし、(ペースが)遅い割にはみんなが後ろで構えていたんで」と振り返る。「先頭に立った時、物見をしていたけど“頑張れ、頑張れ”と思って追ってました。まだ緩いところがあるし、これからもっと良くなりますよ」。1月31日にデビューし、まだ2カ月弱。未完成ながら、鞍上の手応えは十分の様子だ。
前走で距離適性を示し、今回は初の中山に難なく対応した。清水久師は「母方は
サクラバクシンオーだけど、体と身のこなしは中距離。コースも経験できたし、後は無事に本番に送り出すだけです」と笑顔。デビューが遅れた理由を「サイズは大きいけど、線が細かったんで」と明かした。3戦3勝でクラシックへ。まさに遅れてきた大物とでも言うべきだろう。
皐月賞に滑り込んだ
キタサンブラックが、演歌の花道、いや栄光の花道へ一直線だ。
提供:デイリースポーツ