春のス
プリント王決定戦「第45回
高松宮記念・GI」(芝1200m)は29日、中京11Rに18頭で争われ、4番人気の香港馬
エアロヴェロシティ(香港・オ
サリバン)が日本馬を撃破。国際GI馬の強さを見せつけ、昨年の
香港スプリントに続く、GI2勝目を飾った。勝ちタイムは1分8秒5。半馬身差の2着は6番人気の
ハクサンムーン、さらに鼻差の3着には3番人気の
ミッキーアイルが入線。なお、1番人気の
ストレイトガールは見せ場なく13着に敗れた。
折れない心で全てをはね返した。海外遠征は初めて。16キロ減という馬体重が示す通り、輸送の影響で筋肉は削り取られていた。しかも雨馬場は初体験。さらに状況の悪化した内枠からの発進。だが、チャンプは逆境の中、全てをのみ込んでみせた。
「直線に入って坂を上る手前で苦しい場面がありました。やはり雨が…。もう駄目かなのかと思いましたが、坂を上り切ってからもうひとつギアが入りました。この馬の本当の強さを、見せてもらった気がします」。好位で流れをつかみ、実質的にレースを支配。渋った馬場にエネルギーを吸い取られながらも、最後は力でねじ伏せたパートナーの頑張りに、パートンは敬意を表した。
4コーナーを回ったところで
バランスを崩したが、さすがの手綱さばきで懸命にリカバリー。左ステッキを連打して先に抜け出した
ハクサンムーンに襲いかかり、外から脚を伸ばした
ミッキーアイルを封じ込む。気持ちでゴールを引き寄せ、死闘とも言えるバトルにピリオドを打った。
王国の威厳を異国の地でも保った最強ス
プリンターは今後、ワールドツアーを視野に入れる。「日本に向いていることは分かりましたからね」とオ
サリバン師。この秋の
スプリンターズSも選択肢のひとつだ。次の負けられない戦いへ。その翼は世界へ。王者の歩みが、止まることはない。
提供:デイリースポーツ