超良血馬が豪快に突き抜けた。「第75回
皐月賞・GI」(芝2000m)は19日、中山11Rに15頭で争われ、3番人気の
ドゥラメンテ(美浦・堀)が直線で外から強襲。先に抜け出した2番人気の
リアルスティール(2着)を並ぶ間もなくかわし、1馬身半差をつけてゴール。圧巻の末脚で牡馬クラシックの1冠目を手にした。勝ちタイムは1分58秒2。さらに2馬身半差の3着には先行した4番人気の
キタサンブラックが入った。なお、1番人気の
サトノクラウンは6着に敗れた。
終わってみれば完勝。だが、ヒヤリとするシーンもあった。道中は後方13番手を追走。3角手前から馬群を縫うように徐々に進出したが、4角で“事件”は起こった。コントロールが利かなくなり、外へ大きく約5頭分の斜行。
M.デムーロは「4角では困ってしまった。初の右回りに加えて、ファンの大きな声援を怖がったみたい」と状況を説明する。
そんなアク
シデントがあったにも関わらず、メンバー断トツとなる上がり3F33秒9をマークして完勝。「非常に難しい馬で
ネオユニヴァースに似ている。ネオは
皐月賞を頭差で勝ったが、この馬はもっと離した」と、無限の可能性を秘めていることを強調した。
12年10月15日に脾臓(ひぞう)破裂による出血が原因で死亡した
母アドマイヤグルーヴの忘れ形見。曽祖
母ダイナカール、祖
母エアグルーヴ、母に続く4代連続のGI(
グレード制導入前のGI級を含む)制覇の偉業を達成した
キングカメハメハ産駒の今後はダービー(5月31日・東京、芝2400m)で春2冠を目指すが、世界制覇の夢も広がる。生産者のノーザン
ファーム・吉田勝己代表は、
凱旋門賞(10月4日・ロンシャン、芝2400m)への登録を明言。「この馬はどこに行っても大丈夫な強い馬」と
M.デムーロも、その強さに太鼓判を押した。規格外の決め手を武器に、ダービー制覇、そして日本競馬界の悲願達成へ向けて突き進んでいく。
提供:デイリースポーツ