宝塚記念の終了とともに、東京、阪神での開催も終了。栗東トレーニングセンターは今週から調教開始時刻が5時と、いよいよローカルモードに突入。現時点ではまだ極端に馬が減った印象はないものの、札幌競馬場へ入厩できる時期が来ると、いよいよ馬が少なくなりそう。
今週の天候は6月30日の夜から雨が降り、1日の調教時間中も激しい降り方。そんなこともあってか、今週の追い切りを雨の上がった翌日に行う馬も多く。2日は木曜としては追い切り頭数が多くなった。
【坂路/4F51.9秒】
1日。一番時計は
ネロ(栗東・
森秀行厩舎)の4F49.5秒。この数字は先週の一番時計よりも0.2秒速いが、4F50秒台が1頭しかいない点は先週とは違う。また、4F51秒台の頭数も少なく、全体的な時計の出方を見ると、降り続いた雨の影響があったと考えるべきだろう。ただし、前半をゆったりと走れば、後半は決して時計の出ない馬場ではない。
今週の
CBC賞出走予定馬では、
タガノブルグ(栗東・
鮫島一歩厩舎)の動きが目立った。レースでコンビを組む
秋山真一郎騎手が跨って、単走での動きだったが、1週前の重苦しい動きとは別馬のような軽快な走り。時計の4F52.0秒は自己ベストに近い数字であり、時計的にも見た目にも文句ない。
1日の調教終了後に嵐のような降り方をしただけに、2日は馬場への影響を心配したが、その後はあまり降らなかったので、馬場差は変わりなく記録してよさそう。
この日も
CBC賞の追い切りが行われ、1回目のハロー明けの時間帯に
ホウライアキコ(栗東・南井克巳厩舎)が、前半をかなりセーブしたということもあって、ラスト2Fは12秒台のラップを刻んだ。全体は4F54.1〜3F38.6〜2F24.5〜1F12.2秒と後半にぐんとラップが速くなる追い切り。2F目から3F目に急激にラップが速くなるのは、前走時の最終追い切りと同じなので、前走同様の状態にあるといってよい。
先週の馬場差は「-0.1秒」。雨の降り方はかなり激しかったが、この時期ということもあり、極端に時計を要しているわけではない。よって、馬場差は1日、2日とも『+0.6秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
Cコースは1日の開門直後は先週とほとんど変わりないといってよいくらい時計が出ていた。ただ、追い切り頭数が増え、馬場が踏み荒らされてくると、さすがにデコボコして走りにくい状況となったよう。とはいえ、ハロー掛けが2回あるので、時間帯によって、6Fで1秒も2秒も馬場差が変わるというわけではない。
1日、2日とも目立った動きを見せたのは、2歳新馬。まず1日は
武豊騎手が騎乗した
オーバーカム(栗東・
松永幹夫厩舎)。
カレングラスジョーを追いかける内容だったが、直線内からあっさりと前を捕まえて、追われるとしっかり伸びて先着。時計は6F82.6〜5F67.8〜4F52.9〜3F38.3〜1F11.7秒と、全体も終いも速い。
2日は
福永祐一騎手が跨った
シルバーステート(栗東・
藤原英昭厩舎)。こちらは
ワイドヴィンチェレを追走していたが、先行した相手が一杯になり始めると、それを馬なりで交わしていく。最後まで楽な手応えで先着して、こちらの時計は6F83.5〜5F67.1〜4F52.0〜3F38.0〜1F12.0秒。全体の数字はこちらの方が遅いものの、3F時計が速くて、非常に優秀な時計。この2頭が来週の中京芝1600mで激突するのだから、ちょっともったいないような気もする。
なお、先週の馬場差が「-1.0秒」。朝一番の開門直後は先週と変わらない馬場でもよいくらいだが、全体的な時計の出方を見ると、やはり先週よりは時計を要している。よって、1日、2日とも『-0.1秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週は雨が降った影響もあり、1日、2日とも走りやすい芝馬場での追い切りを選択した陣営があった。走っている様子を見ていると、かなり大きな芝の塊が飛んでいたので、こちらに関しては雨の影響を受けていると思われる。よって馬場差は、1日、2日とも『+0.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場は水分を含んだことで、適度なグリップで速い時計が出る状態。とはいえ、5F時計で62秒台をマークしたのが、3歳未勝利の2頭。
エターナルカラー(栗東・中村均厩舎)はデビュー戦10着のキャリアが浅い馬なので、人気するかも知れないが、
メイケイエンジェル(栗東・田中章博厩舎)はデビューから二桁着順が続く馬だけに、馬券的にはちょっと狙ってみたいところ。なお馬場差は、1日、2日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)