今週の栗東も雨が多い。雨が降っていない時に日が照るようであれば、馬場の乾きもよいと思うのだが、雨が降っていない時は曇り。ほとんどがそんな天候なので、印象としては雨の影響を多分に受けているように思う。
ただ、各馬場の詳細を読んでいただければ分かるように、ウッドチップに関しては水はけがよいのか、時計を要している印象はない。また、昼間には蒸し暑さを感じることもあるが、調教時間中の朝に関しては、気温も低く、7月としてはかなり過ごしやすい天候となっている。
【坂路/4F51.9秒】
8日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F50.0秒。4F50秒台はこの馬を含めて、4頭いるので、数字だけ見ると最近では時計が出る馬場だと判断してよいだろう。なにせ3F目に11秒台をマークした馬が9頭もおり、
ポメグラネイト(栗東・長浜博之厩舎)は11.6秒と図抜けた数字を出している。
来週以降、関西圏で行われる直近の重賞は
中京記念(7月26日・中京芝1600m)。このレースを予定している
ダローネガ(栗東・
佐々木晶三厩舎)は2回目のハロー明けの時間帯に単走で追い切り。脚をためるというよりも、速めのラップを持続するという走り方で4F53.3秒をマーク。馬場差を考えると強調できる数字ではないが、レースまでの日数を考えると、この時期からこれだけの時計を出すことができている点を評価したい。
モンゴル大統領賞12着の後、一旦放牧に出されて、
中京記念を目標に調整している
アルバタックス(栗東・石坂正厩舎)。内容は古馬500万下を追走する併せ馬だったが、馬なりで相手に追いついて、時計は4F53.1秒。こちらも8日の馬場を考慮すれば、強調する数字ではない。しかし、この馬として、レースの2週前追い切りの時点で4F53秒台をマークすることは珍しく、それだけ仕上がりが良いということだろう。
先週の馬場差は「+0.6秒」。今週も雨は降っているものの、全体的な時計の出方を見ると、時計を要する馬場と判断することはできない。よって、馬場差は8日、9日とも『±0.0秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
Cコースは8日の朝一番の馬場だけ少し時計を要する印象だったが、1回目のハローが明けて以降は、きっちりと時計が出ていた。もちろん、向正面でのペースが遅い馬に関しては全体時計は遅いが、ある程度速いペースでラップを刻んでも止まらない馬場。9日は小雨が降ったり止んだりという状況だったが、それが馬場に与える影響というのはほとんどなかったと考えてよいだろう。
9日の追い切りで最も目立つ動きを見せたのは、
中山グランドジャンプを制し、J・G1ホースとなった
アップトゥデイト(栗東・
佐々木晶三厩舎)。
小倉サマージャンプ(8月1日・芝3390m)の出走を目指して、7月3日に栗東へ帰厩したばかりだが、レースまでは1ヶ月を切っているということで、単走で追い切られた。7F標識あたりからペースが速くなり始めて、向正面では12秒台のラップ。最後の直線は馬なりだったこともあり、かなりラップが遅くなったが、全体は7F93.2〜6F77.3〜5F64.4〜4F51.8〜3F39.9〜1F14.3秒と相当速い。
なお、先週の馬場差が「-0.1秒」。雨は降っても、時計は出る馬場なので、8日、9日とも馬場差は『-0.8秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
芝馬場は雨の影響をかなり受けている。芝生の塊が飛ぶ状態だと「緩い」という表現でよいと思うが、塊が水分によって重くなり、上には飛ばない状況。時計自体もかなり要しており、先週の「+0.5秒」よりも更に時計を要する状況となっている。よって馬場差は、8日、9日とも『+1.5秒』で記録している。
ポリトラック馬場は追い切り頭数も少なく、速い時計をマークしている馬も少ない。よって、馬場差の判断が難しいところだが、見た目には大きく変化した印象はないので、馬場差は、8日、9日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)