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少頭数新馬について考える

  • 2008年07月25日(金) 19時00分
 POGとは馬選びのゲームであり、その選び方についてみんなであーだこうだと長年騒いでいるわけである。そこに本質的な正解がすぐ見つかるわけではないので、今回はそこを離れてものすごく単純な話をしたい。

 ことのきっかけは、2回函館初日に組まれた新馬戦である。ご存知の通り、5頭立てであった。しかも想定でいったん不成立になりかけたところに1頭すべり込んでやっとの5頭立てである。一方、2歳戦の開幕から同じ週までに16頭立ての新馬戦が5鞍、17頭立てが2鞍、18頭立てが3鞍組まれている。

 5頭立てと18頭立て。どちらを勝っても賞金は同じ。当然ながらPOGのポイントも同じ。5頭立てのほうは、ビリでも総賞金ルールのポイントがつくというオマケすらある。

 5頭立ては極端な話にしても、例えば9頭立てと18頭立ての場合、勝つチャンスは乱暴に言って倍違うことになる。入着賞金を稼ぐチャンスについても同様である。これ、単純なようでいてけっこう見逃されている要素ではないだろうか?

 POGの場合、速攻タイプの選択においてこの発想を活用することができる。当該週の想定を見ないと正確なところはつかめないが、「ある程度の自衛」は可能だ。

 ドラフト間際になると「どこで下ろす」ということが明言されていることも多いのだから、そこから多頭数レースに踏み込んでいくことになりそうか、少頭数でおいしい思いをできそうか、考えるのだ。

 新潟の芝は多頭数になりやすく、函館のダートは頭数に限界がある。また、2歳戦の始まる際は頭数が揃いやすく、1回開催の最終週から2回開催の開幕週には特に函館でぽっこりと少頭数新馬が発生しやすい。ちなみに、例の「5頭立て新馬」は昨年の場合だと7頭立てであった(勝ち馬ベストオブミー)。やはり構造的なものがあるのだ。

 ドラフト時というのはみんな強気になっていて「とにかく新馬を勝つ!」という気分に冒されやすい。しかし、「新馬確勝」の馬が2頭出てきたらどちらかが負けるというのが真理である。

 そういう意味でたとえば、少頭数新馬をキャッチするのがうまい厩舎、などということを考えてみるのも意味がありそうだ。ちなみに06〜08年の6〜7月で見ると、伊藤圭、領家、坂口則、山内といったところが立ち回りの上手さを見せている。

※次回(8/1更新)は辻三蔵さんによる赤本紹介馬の近況レポートです。

筆者:須田鷹雄
 競馬ライター。各種新聞・雑誌に寄稿するほか、テレビ・ラジオの構成、出演も務める。主な出演番組は「クラシックパーク」(グリーンチャンネル)、「ドラマチック競馬」(北海道文化放送)など。


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